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捕まって、しまった。
何とも呆気なく。
「いきなり逃げんなよ」
「楽しいコトしようって言ってるだけなのにさー」
「なー」
楽しそうにそう言う彼らが逆に怖くて、逃げ出したくて、捕まれた腕を振った。
「おっと。今度は逃がさないよ」
「てか順番どうする?」
「何でもいい。早くヤろうぜ」
淡々と繰り広げられる会話に、頭がついていけない。
「じゃあオレからな」
そう言ったのは、茶髪の青年。
「先ずは顔見せてよ」
青年が言うや否や、傍にいた藍色の髪の男は架恋を後ろから抱きしめ、その動きを封じた。
「いや!!」
「っ、この…っ」
「ちゃんと抑えとけよ。さて、お顔はいけーん」
激しい抵抗も無駄で、被っていたローブのフードが青年の手によって取られてしまった。
「っ……!!」
瞬間、青年の息を呑む音が聞こえた。
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