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コツコツ、と薄暗い城内に無機質な足音が響く。

辺りは完全に闇が支配していた。

しかし、『彼ら』にとってはこれからが始まり。


「レイ様、どちらへ行かれるのですか?」

その声にピタリと足音が止まる。

「……外へ行く」

問われた人物から発されたその声は低く、それだけで威圧感のあるものだった。

「ですが、今夜は……」

「黙れ。殺されたいのか」

僅かに殺気を帯びたそれを言い放つ。

「っ、申し訳ありません」

その気迫に押され、その者は深々と頭を下げた。

「………」

男はそれを一瞥すると、闇の世界へと消えていった。

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