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小さな頃から省かれていたのはあたしのほうだった

それでもあたしのそばにいてくれた


哲は、あたしにとっての特別だった


あたしが、サッカーを教えたことで

彼から笑顔を、サッカーを楽しむ気持ちを奪ってしまったなら


あたしは、どんなことをしてでも詫びる

その罪を償う


神童、天才、秀才

そう、あたしたちを普通から外していった大人達


他人よりも優れている

普通じゃない


―――普通って何よ


あたしたちは子供だから、勝手に大人が決めたことに従わなくてはいけないの?

そんなの、嫌だ


嫌だ嫌だ嫌だ、嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌イヤ嫌イ、ヤ


どうして

あたしたちを普通の子と同じように、遊ばせてくれないの?




『あたしが壊れたことで、哲は此処に来ることを選びました

たぶん、だけど』


一方的に、会話は成立していない

あたしが、勝手に話した


「ごめんね、辛い過去話させちゃって

でも、俺はさ」


―――此処、嫌いじゃないよ


「うまく、言えないんだけどさ

霧生は本当に天才だよ、君が嫌う大人と同じ意見だけど

…雪乃君は、この学校が出来たわけを知ってるかい?」


いいえ、と答える


―――子供の意思、才能を伸ばすために作られたんだ


『…そんな感じ、します』


ここで、兄や哲が泣いている、苦しんでいる

そんな表情は見たことがない


反対に

笑顔しか、見たことがない







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あきゅろす。
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