[携帯モード] [URL送信]
7
着いてきて、と言われ

あたしが有無を言う間もなく歩き出したノエル先輩


なぜあたしが呼ばれるのか、首を傾げていると

突然先輩は立ち止まり、振り返った


「赤城雪乃

小さな頃から、その鬼才故に周りから神童と崇められ

数々のエリートから引抜を受けたほど」


何で、それを

そう口に出す前に、先輩の真剣な表情が目に入って

飛び出しそうになった言葉を閉じ込める


「太陽の妹さんだから、スポーツ推薦かと思ったんだけどな

調べてみたら全然違くてさ」


秀才、天才、神童

その言葉は、あたしにとって

一番嫌いな言葉だった


―――思い出したくもない


『…それで、何ですか』

「教えてほしいんだ、霧生のことを」


―――彼も、天才と呼ばれてたんだから


失礼な、今も天才なの


「君が一番知ってるんだろう?」


小さな頃、周りから外れていったのはあたしのほうで

それを何にも気にせずに、ずっと一緒にいてくれたのは哲


その後、兄とあたしとサッカーを初め

彼も天才と呼ばれるようになった頃


あたしは一時期、壊れたことがある


『天才、神童

褒めてるんだとは思います


でも、あたしは嫌だった』


特別?

違う、利用しているだけだ


あたしから、哲を

大好きなサッカーを奪ったのはその言葉だ


「詳しく、話してくれる?」







[*back][next#]

8/9ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!