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一週間、二週間と時間は流れていき
いつのまにか、わたしはサッカー部のマネージャーになっていた
気がついたら、だった
兄に、楽しいものがここにあると言われ
なに?、と聞いたら 自分で探すんだな、と言われ
知りたくて、入った
GKの兄は、基本的にシュートを止める必殺技を磨く練習をしていた
チームメイトが皆協力してくれていて、ムショウに嬉しくなった
―――兄一人のために、皆が協力してくれている
これが、サッカー
あたしの好きな、あたしが惚れたサッカー
ふと、後ろを振り返る
そこには、背番号11番を着、ボールを華麗に操る哲がいた
―――10番では無くて
エースナンバー10番を背負うのは、兄と同じ三年生
聖夜一輝先輩
あだ名はその姓からとって、ノエル
兄のようにサッカーでのあだ名もある
―――その名もEmperor(エンペラー/皇帝)
FWとしての必殺技はもちろん、ドリブルもディフェンスも必殺技を持っている
今の輝羅学園中等部は、この人がいるから保っているともいわれる
頼りない兄がキャプテンなために、裏キャプテンとも呼ばれ
勉学においてもトップクラスらしい
「赤城くん、」
「ん? どーしたイツキ」
「お前じゃない、妹さんだ」
『あ、たし?』
いったいあたしに、何の用があるというのか
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