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「キャプテンの妹さんっすかー、」

「だったらやっぱり、スポーツ推薦ですよね?」


何故、サッカー部員に囲まれなければいけないのだろうか

そうだ、兄がわたしの肩を離さないからだ


「こいつは進学コースだよ」


「「「し、進学コース?!!」」」


入学してから知ったのだけど

進学コースの人間は、稀にしか居ないらしい


ほとんど、スポーツ推薦なんだそうだ


『まぁ、そうです』


自慢の妹だ!、と笑顔で言いのける兄

笑ってるよ、うん

ホントに、名前どうり、太陽のように暖かく


「す、凄いっすね…」

「だろだろー」


何言ってんの、当たり前だろとでも言いたそうな表情


兄よ、いい加減に離してくれ

頼むから、地味に指食い込んでるから


「、雪乃」


練習中断のままでいいのかよ、とか思ってたら

声をかけられた


『…哲、?』


そのままの、ちょっと目つきの悪い顔

ふ、と何故か笑っていた


「…相変わらずのシスコンぶりっすね、太陽さん」


「なぁんだとー、哲哉

お前だって負けないくらい「殴) ちょっと一言余計っす」…」


―――変わって、ない

そのちょっと呆れ気味な笑い方

変わってない


「太陽さん、練習サボっていいんすか

監督怒ってますよ」


やべ、と冷や汗を拭く兄は

慌てて練習再開!、と叫んだ


部員達はクモの子を散らすように去っていった

まるで、嵐のようだったのに


唖然として立ち止まっていると、哲が寄ってきた




「雪乃、話がある」








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あきゅろす。
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