花の頼み
《花の頼み》
転校生が必ず受ける『質問攻め』
ゆっくりできるわけもなく、昼休みになった
もう、質問攻めは御免
教室から出ることにした
「赤城さんっ」
『木野、さん‥?』
何故、出ようと立ち上がった瞬間
呼び止められるのだろうか
「えーっと…昼休み、何か用事とか、ある?」
席が近いくて、ショートヘアーにピンクのヘアピンが印象的な
───木野秋さん
『え? 特には……ないけど‥?』
「じゃあ、あの…一緒に来ない?」
パァッと花のような笑顔で、ちょこんと首を傾げる彼女
───断れない空気ではないのか?
『ぁ、うん』
木野さんについていくと、
サッカーゴールとラインのついた、グラウンドについた
何人か、サッカーのユニフォームを着た人が練習している
なんなんだ、コレは
サッカーにしては変な音が聞こえるのは
───気のせいだろうか?
「私、サッカー部のマネージャーしてるんだけど
……赤城さん、興味ある?」
『‥サッカー?』
実は幼馴染とクソ兄貴がサッカーやってたから
───ある程度知ってるけど
「おっ 秋!」
「‥一之瀬くんっ」
サッカーのユニフォームを着込んだ男の子が、一人傍に寄ってくる
‥‥見たことある、?
「一之瀬くんも練習?」
「あぁ! 秋は?」
わたしの存在、軽く忘れられてるんですけど
二人が話しはじめ、邪魔しちゃ悪い
わたしはグラウンドに、サッカーボールを見付け
思わず蹴りだした
[*back][next#]
無料HPエムペ!