[携帯モード] [URL送信]
女王様の御事情
《女王様の御事情》
「赤城さん、ちょっといいかしら」


昼休み、秋にサッカー部のみんなと誘われた昼食を断り、一人教室を出た

理由は、なんとなく


わたしを待ち構えていたのか、ドアの前には腕組みをした雷門さんがいた


『あー…、はい』


曖昧に、お弁当袋を持ったまま答えると、歩き始めた雷門さん

早足で、必死についていった


やっと雷門さんの足が止まり、着いたのは理事長室

普通に入っていく雷門さん

さすが、理事長の娘といったところ


「入って 私が許すわ」

『…はぁ、』


―――とりあえず、理事長室へ足を踏み入れる


どうすればいいか分からずに立ち尽くしていると

いつのまにか紅茶を淹れてきていた雷門さんに指を指され

促されるがままに、高級そうなソファーに座った

うちにも似たようなのあるけど、やっぱり緊張する


なんなんだろう

話したこともなかった相手なのに


いい匂いのする紅茶

入ったばかりのアッサムティーだそうで


「そうね、本題に入りましょうか」

『…?』


「相談といえば、相談なのだけど」


―――サッカー部で、強化合宿をしようと思っているの


そうですか、としか答えられない(でも口に出せない)

だって、今まで無関係のわたしだし

秋や春奈ちゃん、守なら分かるけど


なんでわたし?







[*back][next#]

27/53ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!