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真の決意
《真の決意》
河川敷のサッカーコートを見つめながら

ただ何をするわけでもなく座っていた


「…黄昏てんの?」


いつのまにか背後に立っていた飛鳥くん

やめてくれ、心臓に悪い


「夕陽に向かってバカヤロ−とか?」

『そんなベタな青春ドラマ、一人じゃ虚しいでしょ』


ははっ と笑いあう

なんか、安心する


「輝羅学園に居たんだって?」

『…なんで知ってるの』


「えー、太陽さんが言ってた」


何なんだあの兄は

優しかったり、勝手だったり


まぁ、隠してたわけでもないんだけど


「名門校じゃん」

『まーね』


隣に座り、うーん、と何か考えている飛鳥くん

すると、考え事は終わったようで


「一つ、聞いていいかな」

『いいよ、』


―――前の学校にさ、戻りたいとか 思わないの?


『んー…』


さっきまで考えていた

もしかしたら、口に出てて、聞かれてた?


『‥‥強くなるまでは、帰らない』


「そっか、…」


―――でもさ、強くなくたっていいんじゃない?


『…へ?』


「幼馴染追いかけてたんだろ?

無理して追いかけたって、追いつけないでしょ」


「それに、みんなが守るよ」


女の子に怪我させちゃあダメでしょ




どうして、わたしの周りには

こんなに優しい人ばかりなんだろう


『飛鳥くん、決めた』

「ん?」


―――サッカー部マネージャー、やります


「じゃあ、戻ろ

まだ部活時間だし」

『あ、そうだった』


一生懸命はかっこいい

その心に惚れました







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あきゅろす。
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