空輝く、心強く
《空輝く、心強く》
思わず飛び出してしまった
何処に行くわけでもなく、ふらふらと歩いていれば
河川敷についた
夕焼けに染まる空が映った水面は、きらきらと輝いていて
サッカーコートを見つめ、ふと溜息が出た
思い出してしまう
サッカーに一生懸命な守達
その姿は、雪乃の想い人、霧生哲哉と似ていた
心からサッカーを愛し、楽しむ
そんな哲哉に、雪乃は惹かれた
輝羅学園を出てから、そこは特別な場所だったのだと気づいた
帝国学園がそうだったかのように、サッカーを戦うための手段、力だと思い込む人がいる
元々、才能があるものしか輝羅学園には入れない
思い込んでいる人達に生徒が利用されないように、守っていたのが
―――エリート学校、輝羅学園だった
武器として、力として利用されれば、心も
才能も潰しかねない
のびのびと才能を伸ばし、自由に楽しむ
それが、輝羅学園だった
特別な、優しい仲間達と出会えたその場所
引っ越した時、身体より仲間の傍に居たかった
しかし、今は違う
仲間のために、強くならなくては
『わたしは、弱い…』
だからこそ、心の強い哲哉に、守達に
―――惹かれた
だから、強くならなくては
また、仲間を傷つけてはいけない
『………、ファイ・オー』
虚しく響く声よ
いつか、仲間と共に
なんて、考えちゃうんだ
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