制御不能な感情
《制御不能な感情》
「姫、やっぱりどっか打ったか?」
『そ、そーじゃなくて‥』
涙は止まらない
走り寄って来る守達と、泣いているわたしの間に壁を作るかのように
―――兄貴はわたしを抱き寄せた
「すっ、すっげぇよ!」
「見事なキーパーとの連携技だな」
ツインライトアロー
本当は、FDの幼馴染とわたしの連携技で
兄との連携技に替えただけなのだけど
思い出してしまった
―――大切なヒトの、大切な思い出
「‥あのー、いつまで雪乃ちゃん抱いてんすか?」
「「「(そういえば!)」」」
「えー………、ダメ?」
何故か控えめにきりだした飛鳥くんに
ぷーっと頬を膨らませて答える兄
そういえば、紹介してなかったっけ…
つんつん っと突く
「…ん、分かった」
わたしを抱き上げて、兄は立ち上がる
「初めまして
輝羅学園高等部サッカー部キーパー・赤城太陽です」
兄が妹に抱きついちゃあ、ダメかな?
若干黒い兄だ
[*back][next#]
無料HPエムペ!