白雲母の心
何も映さない、透き通った硝子の瞳
意思をなくした人形のように投げ出された手足
時々、誰かを追うように動く瞳には、
君にしか見えないあの人の姿が見えるのだろう
壊れた心
閉ざした魂
どんなに話し掛けても揺さぶっても、
君は僕には反応しない
まるで雲母だ
君の心は半透明の白雲母で覆われていて、
僕はその雲母を一枚一枚剥がしているだけ
薄っぺらい片鱗
僕じゃ、君の心には近づけないというのか……?
あの人なら、この白雲母も雪のように解けて消えるのだろうに
僕は君の心に届きたい
雲母を剥がすように、少しずつでいい
いつか、君に届きたい
end
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