[携帯モード] [URL送信]
心象風景


砂が舞っている
茶色い砂漠の乾いた砂

でも
砂丘も
空も
ましてやオアシスすらも
どこにも見えない

ただ砂が舞っているだけ
砂嵐が巻き起こっているだけ

視界は茶色で埋めつくされて
生き物の気配もなく
音すらもなく
ただ虚無ばかりが広がっている

それを見つめていると
頭を掻きむしって
のどが潰れるような叫び声をあげたくなる
いつまでも
ずっと
いつまでも
気がふれたように
悲鳴をあげたくなる

ああ
色鮮やかな大樹と
木漏れ日と
清らかな泉と
青い鳥と

そんな世界に帰りたい

目の前に広がるのは
砂の虚無

だれか
ここから連れ出して

私を
大樹の御下に帰して下さい


end

[次へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!