僕はあの痛みが忘れられなかった。鏡に映る首元にはすっかり癒えた傷痕が、まるで僕を嘲笑う様に存在する。 「花子…。」 そっとこの傷を作った者の名前を口にする。鏡に映った僕は何かに取り付かれた様に息を荒くして苦しそうだ。 先月自慰を覚えたばかりの股間が膨脹するのが解る。 「う…ん。は…な、こ」 パンツの中に手を入れればピチャっと手の平にドロドロとした液体が付いた。 もう我慢出来ない。無我夢中で取り出した精器を両手で擦った。 「ん…ぁああ」 喘ぎ声が漏れる、立っていられなくなり擦りながら膝を曲げる。 「ふぁ、…ぁあん」 一際甲高い声を出して僕はイッた、それでも何かが足りない。決定的な何かが。 僕は服を整えると家を飛び出した。 ★ 「ここだ…。」 "動物ふれあい広場"僕が家族と以前遊びに来た場所だ。 周りを見渡すと夕方に近い時刻のせいか、ひと気がまるで無かった。 「おや、君はたしか」 「あ、おじさん。こんにちは…あのひつじ、花子は居ますか?」 「あぁ今日はあの小屋の中に」 「そうですか…ありがとうございます」 おじさんは僕が怖がっていると、思っているのか 優しい口調で教えてくれた。僕も弱々しい声でお礼を言うと広場の中に入った。 数分ウサギや馬と遊んだ後、おじさんが広場から離れていった。豚小屋の掃除にいったんだ。 あのおじさんは何時も夕方にひつじ小屋とは反対にある豚小屋の掃除に行く。 僕は待ちに待ったこの時を逃しはしなかった。 ギーッと重苦しく木のドアな開く、夕方の薄暗い光と動物小屋の独特な臭いに少しだけ怯んでしまう。 「………、」 それでも一歩足を踏み出し息を呑む。 花子がこちらを見ていた。あのギラギラ光る瞳で僕を見ているのだ。 「花子!」 小屋に飛び込むと花子も僕に飛び付いて来た。一回り以上大きな花子に飛び付かれ、僕は仰向けに押し倒される。床には干し草が大量に敷き詰められていて背中がチクチク痛んだけど構わずに花子を抱きしめた。 「僕をめちゃくちゃにして!お願い!」 花子は名前からメスだと思っていたがどうやらオスの様だった。ギンギンに勃起している物は僕の腕の二倍以上はありそうだ。 もうわけもわからず苦しい日々を過ごすのは嫌だ。あの首を噛まれた日から僕は変わってしまった。これで介抱されると思うと嬉しさで思わずイッてしまった。 −−−−−−−−−− これは笑う話ですよ。 何も考えずに出来た。 |