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*vivid vermilion
7

「会長サマ、たぶんアレ俺のこと疑ってんねー」
「ああ!?」

生徒会室から戻り花ちゃんと合流して部屋に戻る途中。誰も回りにいないことを確認しては小声でいえばめちゃくちゃガラの悪い言葉がかえってきた。怖いよ花ちゃん。
気づいたのは会長サマの視線が疑わしさをかくしていなかったからだ。不躾に見てきやがって、閲覧料とるぞ☆って思ったけど取り敢えずスルーしておいた。確信はされてないようだけど。

「関係者かもとかは思われてるかも。やっぱペンキ買わせたのがまずかったかなー」

赤だったしね。一応カモフラージュとして適当に悩むふりはしたが。

「何暢気に笑ってんだてめぇは…」
「だって、大丈夫でしょ」

卜部さんがなんとかしてくれるって言ってるしねー。
全信頼をおいていることを示すと花ちゃんは呆れたようにため息を吐いた。この子本当に失礼だよね。大将が味方に全信頼をおいてるなんて、嬉しいことでしょうに。あ。

「もちろん花ちゃんも信頼してるよ?」
「そういう問題じゃねーよ」
「誰よりも」

隊の他の誰よりも、卜部さんよりも。
俺は花ちゃんを信頼してる。

「…そういう話でもねーよ」

本心で言うと花ちゃんは顔を逸らして声を小さくして舌打ちする。
やだー照れてるかわいい花ちゃん!こんなとこでそんな顔みせてると襲われるぞっ☆

「…」
「痛いっ!照れ隠し!?」
「不穏な気配を感じた」
「花ちゃんいつの間に読心術使えるようになってたの!」

だいぶ前からな気もするけど。
殴られながら自分の部屋に到着したところで、俺たちは立ち止まった。
ありゃあー。

「大変そうだな」
「…」

一応作った俺で話しかけると、部屋からダンボールを運び出していた早間に睨まれた。怖い怖い。

「バカ。関わらないこと約束してんだから、会話もできるわけねーだろ」
「あ、そっか」

姉様との約束があるんだっけ。大変だよね、怯えながら暮らさなきゃいけないんだから。
こちらを見ないように出ていく早間に軽く手を振り中に入る。
上坂くんはまだ来ていないらしく、俺は花ちゃんと連れだって自分の部屋に引っ込んだ。鍵もかければ防音室なので完璧だ。上坂くんは…来たらノックくらいしてくれるだろう。

「にしてもわりと簡単に諦めてくれたね、早間」

もっと愚図るかと思ったけど、脅しが相当効いているのかわからないが本当に無視されたし。

「油断はすんなよ」
「大丈夫だよ」

梨人くんが監視してるはずだし、卜部さんも居るし、まず俺が早間に負ける気もしないし、

「花ちゃんも居るしね」

さっきの続きだよとばかりに言ってやれば、今度はため息と同時に頬を撫でられた。
あはは。

「花ちゃんのデレいただきました!」
「黙れ」


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あきゅろす。
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