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*vivid vermilion
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一応絡まれたのでこっそり、本当にこっそり俺は生徒会室に向かい、その扉をノックしようと手を出した。面倒くさいにもほどがあるけど、行かなきゃいかないで面倒くさいだろうし。
ため息を吐きながらそんなことを思っていると、コン、と一度鳴らしたところで部屋のドアが開いた。

「!」

思わず驚きの声をあげそうになるのを我慢して後ずさるとあちらも驚いたように目を見開く。ぶつからなかったのは俺の反射神経のおかげかな!
てか…。

「り…」
「嘉山?」

思わない相手に口を開きかけたとき、目の前の人の後ろで会長サマの声が上がった。反射的に言葉を止めた俺、偉い。そのまま出ていく相手を止めずに自分の横から通してしまうと、走るわけでもなく優雅に、しかし急いで退散された。
視線を会長サマに戻すとこちらは気まずそうな顔。えーと?

「今の人は…」
「…なんでもねぇよ」

顔を逸らされました。
中を見回すと生徒会室には会長サマしかいない。
ここは逢瀬か恋人かと期待したいところだけど、残念ながらそれはないと思う。
ううん、まあ卜部さんの作戦通りだろうとは思うけど…なんで梨人くんがここにいたんだろうね?


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