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*vivid vermilion
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『何を企んでるかはまだわからないけど、ゆうくんも注意してね』

ここで「まだ」って言う卜部さんかっこいいと思いつつ肯定を返せば後ろの花ちゃんがぺしっと頭を叩いてきた。なんで俺今叩かれたの?

「でも、これで一応は、全部に対策打てたわけっすよね」

卜部さんに話しかける花ちゃんは続けてべしべしと俺の頭を叩いてくる。もう意味はわからないし、たぶんこれ意味ないんじゃないかな。叩きたいだけとか?そんな理由で大将の頭叩く?

『まぁそうなるね』
「こいつがヘマしなければ」
『そっちがヘマしなければ』

と、思ったら釘を刺されました。確かに俺は迂闊だったけど、なにも声揃えて言うことないのに…。

『ああ、それと、あとひとつ梨人くん使って無双に罠かけてるから、またそれ関係で動いてもらうね。連絡は後日』
「了解ー」

どこまでも用意がいい卜部さんに見えないけど敬礼しつつ返し、通話を切る。

「さて、これでしばらくはおとなしく萌え観察ライフに戻れるかな!」

伸びをして花ちゃんに言うと、平手が頭を襲う。だから花ちゃんは俺を叩きすぎだと思う。

「バカ。お前生徒会補佐にされたんだろうが」

気を付けなきゃいけないことだらけだろうがと言う花ちゃんに、そういえばと思い出す。
会長サマから今日の放課後生徒会室に来いって言われてたんだっけ。一応こっそり。…あれ。ていうか、そういえばさっきあの人めちゃくちゃ普通に話しかけてきやがったよね。それって約束の反故になんじゃね。
補佐のことがバレてる時点で約束なんてあってないようなものだけどさ。
そのへん言って補佐の話なくせないかなぁ…と考えていると、ケータイが震えた。表示を見ると卜部さんからメールだった。なにか言い忘れたのかと見てみれば、書いてあることは予想外で。

『考えがあるからまだ補佐はやめないでね』

とのことだった。あの人はそろそろ思考も読めるようになったの?なにそれかっこいい。


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あきゅろす。
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