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*vivid vermilion
side-生徒会

【side 生徒会】

「朱雀隊が出た」

そう言った俺に、他の役員たちは目を見開いた。

朱雀隊。

三年前、俺たちのチームをぶっ潰した奴が所属しているチームの名だ。
その頃朱雀隊は、今のように名が知れ渡っていなかった。だから俺たちは、汚い手を使って潰された。――あの、美しい朱色に。

「朱雀隊、ですか」
「ああ。諒人」

少し前から、この学園では不良グループが潰されるという事件が多発している。それが朱雀隊の仕業だとわかったのは、つい最近の話だ。奴らはこの学園に潜伏し、元の俺たちのような不良グループを潰して回っている。

「はーい。被害者の話によれば、やったのは朱雀隊と名乗る二人だそうでー」

そしてうちの元情報担当である現会計の話によると、

「オレンジ頭と赤髪の二人だとか」

あの朱色が、うちに潜り込んでいる。

「それだけしかわからないんですか?」
「ごめんけど、それだけ。そこに居た不良グループに輪姦されそうになってた子は、何も見てないって言うし」

それも本当かはわからないけど、という諒人に、いい、と返す。

「あいつが居ると確信できただけ上等だ」

三年前からずっと探し続けている。
知っているのはソル…太陽という通り名と、その美しい顔だけ。
それでも俺は。

「あいつを見つけ出す」


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