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B


「っ、どこに行きやがった!?」

 一回転の後の前方に、あるはずの機体が見当たらない。そんな馬鹿なことがあってたまるか。思わず減速をかけたファルコだが、その選択が誤りであることに気付くには一足遅く。

―――左!


 ガツン!

 身が強張るほどに大きな衝撃が機体に走る。あろうことかウルフェンは左翼めがけて体当たりを仕掛けて来たのだ。
 ウルフは宙返りの際、レーダーで確認するのも困難なほど、機体一つ分あるかないかの位置にウルフェンをずらしていた。アーウィンのように宙返りの間、一時的に操縦桿にロックのかかることのないウルフェンだからこそ可能な芸当。
 さらに突き飛ばされた先には速度はなくとも悠々と銀河を流れる巨大な隕石があり、咄嗟の切り返しも空しくそれに激突してしまう。


 ビーッビーッ!

 右ウイング損傷により、けたたましく機内に鳴り響く警告音。「分かってんだよ!」と八つ当たりを叫びながら、ファルコは思いつく限りの打開策を頭に廻らせる。
 ブレーキ?駄目だ次の隕石がすぐ右に待ち構えている。ローリング?それは対レーザー用の対処法だろう!ブーストに踏み切ったところで傷のついたウイングでは話にならない、ああ何か策はないのか。
 少し距離を置いたウルフは第二撃の構えを取っている。だからといって上や下にも逃げ場はなかった。あの男は多少の無茶もいとわず、タイミングをずらして当てに来るに違いない。
 ならば、

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あきゅろす。
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