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テニスの王子様 
2 マ王side 
有利side

俺は眞魔国に着いた後、空の国の事をギュンターに尋ねてみた。俺が他の国に興味を持ってくれたことが嬉しいのか感激したようにあらゆる汁と言うものを垂らしながら国の事を教えてくれた。


ギュンターが話してくれた内容は、空の国は複数の国
の一つであると言う事。そしてその国々は、一定の季
節が違うらしいと言う事と魔族の国であること

「ねぇ渋谷、僕が君にその国に同盟を組もうとして
るって言ったよね」


「そういえば言ってたな…それとその国の王子にリョーマ君に似てるって言ってたな。見た事あるのか?国には誰も入れないんだろう?」

国には。誰も入れない。情報があるって言っても
伝説上のようなものだから存在するかも分からないと

「そうだよ。まぁ、同盟を組もうとしている事は
少しは知ってないとね。今、何も知らないのは君
だけだと思うよ」


「じゃあ俺以外…皆、知ってたのか」


そりゃあ…まだよく分からない事だらけだけど俺にも
一応言っといてくれれば良いのに…


「まぁきっと同盟自体を組んではくれないだろうけ
どね。その前に、空の国に辿り着いてるのかも怪しい
しね。存在するかもよく分かってない国だからね」


そうだった。存在しないかも知れない国だった。でも、
もしかしたら俺の魔力があればその場所に行けるんじ
ゃないのか?写真は、持ってるし…


「渋谷、君が考えているのは危険すぎる。確かにその
子がいるなら移動は可能かもしれない。でも、そのリョーマ君って子が本当にいるのかも分からないだろう?」


そうだ、村田の言う通りだ。行方不明=異世界って
訳じゃない。それにそんな国、あるのかも分かって
ないんだった。でも、親父の話ではリョーマ君は、
お別れする挨拶をしたって言うし…でも、それは
何処かは分からない。俺達が勝手にその国に居る
と決め付けてるだけだ。


「一応君の案も空の国への移動手段へと考えておく
よ。焦る気持ちは分かるけど君に危険な事はさせら
れない。」


「あぁわかってるよ。でも、なるべく早く手段を
考えて欲しい。俺はその国に行ってあの子に伝え
たいことがある」


きっと空の国は、存在する。俺はそう信じてる。
俺はリョーマと話して何で自分の住んでるとこ
を捨ててまで異世界を選んだのかを聞きたい。
そして連れて帰って南次郎さん達と会わせたい


「渋谷、僕はね君に本当はその国に行ってほしくは
ないよ。もしかしたら君は真実を知ってしまうかも
しれないからね。」


「真実…?何だよそれ…村田は知ってるのか」


「知ってる。そして僕は、もう覚悟は出来てる。
君も薄々気づいてるじゃないのかい?でも、現実
を受け入れたくない。そうじゃない?」


村田が何を言ってるのかを分からない。俺が気づい
てる?分からない…村田は一体なんの覚悟を?


「ごめんね渋谷。君は、今はそんな事を考えなくても
大丈夫だよ。まだ、時間はある。だからゆっくり考え
ていけば構わない。


村田はそう言って笑った。でも、俺は村田の言葉が
胸に引っかかってる。



村田side

渋谷とあの後分かれて渋谷と最後に話した内容に
ついて考える。渋谷に話した時、動揺してるのが
見られた。本当に気づいていないのかもしれない
けど、きっとあの国に行けば真実を知る事になる
と僕は思ってる。魔族には、魔族しか分からない
だけど僕達には、渋谷と言う魔王を大切に思って
るから真実を伝える事ができない。でも、何も思
ってない魔族達からしたらどうだろう…そんな事
も知らない愚か者だと言うだろう。きっと真実を
渋谷に聴かせないと言う事は出来ないだろう。


「でも、大切に本当に思ってるなら真実を僕達が
教えるべきなんだろうね。」


リョーマ君は、誰かに教えてもらったのか自分で
気づいたのか分からないけど…決断して異世界を
選ぶ君は凄いとおもうよ。でも、君が知らなかっ
たとしても誰かが君に教えただろう。


「渋谷…ごめんね」

こんな僕達でごめん。でも、僕達は君にずっと
笑っていてほしいんだ。


「こんな所に居らしたのですか!!猊下!空の国
に移動できる手段が見つかったそうなのですよ!!
ですか有利陛下にも手伝ってもらわないとならない
のですが一緒ではないのですか?」

見つかったのか…でも、やっぱり渋谷の力が必要
なんだね。渋谷、時間があるって言ったけど真実を
知るのが早くなったみたいだ。


「渋谷の力を使うとしてもそれは、渋谷を危険に
晒すようなことじゃあないよね?」

でも、本当にあったんだね。信じてなかった訳じゃあ
ないけど…こんなに早く見つけて移動手段も見つかる
とは思ってなかった。
まさか…招かれている?それとも罠?か単なる偶然か?


「よく私も詳しくは聞かされてませんが…危険はないと言っておりました。」


「そう、あ、渋谷だっけ?きっと部屋でいるんじゃな
かな。僕は先に行って詳しい話を聞いてくるから渋谷を連れて来てほしいお願いできるかい?」


「お任せください!!では、猊下また後でお会い
しましょう」

行動が早いな…もうギュンターの姿が遠いや。
さすが、渋谷のことになるとあの人雰囲気変わるよね

「さっ僕もウルリーケの事に急がないと…」

移動手段の事を詳しく聞かないとね。きっと僕達の
準備が出来次第行けるようになってそうだし。



有利side


俺は、移動手段が見つかったとギュンターに聞いて
今、眞王廟の間に集まって村田から瞬間移動の方法を
説明されていた。


簡単に説明された内容は、まず、俺が目的の人物の事
を考えながら魔力に集中する事。そして俺の体の一部
に皆に触れてもらい魔力を俺に流し増幅させながら
行うものだった。そして俺への魔力消費の軽減させる
為で俺に少しでも負担を減らすために考えてくれた。
だが、その方法で本当に成功するかは、やってみない
とわからないそうで…


「じゃあ説明も終わったところで行く人達を言うよ。
まずは…」


村田が言った人物は、コンラッド,ヴォルフラム,
グウェンダル,ヨザックそれに俺と村田の6人だ
だった。
その人選にギュンターは文句を言っていたが村田に
華麗にスルーされそのまま話を続けられた


「はいっ今から行くから皆、準備してよ!渋谷は、他
の皆に準備はさせておいて…君は自分のことに集中
だよ。あ、服装はもうそのままでいいよ…もう、…」


村田が最後小さい声で何かを言ったみたいだけど
よく聴こえなかった。聞こうとしたが、定位置まで
連れてこられた


「此処で自分の魔力に集中しながら会いたい人物に
ついて考えていてね。はいっ君達も準備に取り掛か
った。準備する必要がないなら渋谷の周りに集まっ
てね。」


村田の声で俺の後ろが騒がしくなり、みんなバタバタ
と出て行った足跡が聴こえた



数分すれば皆、それぞれの物を持って俺の近くに
集まった。そして今、みんなの魔力を感じながら
集中して俺は俺がやるべき事をしている

「そろそろだね。ウルリーケ頼むよ」


「分かりました猊下。どうか皆様お気をつけて
ください。ご無事で帰ってくることを祈ってい
ます。」


その言葉を最後に周りが光に包まれ次に目をあけた
場所は、何処かの海岸のような場所だった。
周りを見渡してみると俺達と同じような人の姿が此方
を遠くから見ているようだった。


「成功したのか?」


「そうみたいだね。みんなも無事みたいだね。これ
からの事だけど…」


「ようこそ…僕達の国へ侵入者達。でも、勝手に移動
されては困るんだよね。住民の安全を脅かされない
とは限らないからね。」


村田の言葉を遮ったのは、独りの青年。とても美少年
だ。本当に異世界って言うものはイケメンが多いな。
それにしても全然気配と言うものがなかったこの人、
近づいてきたのを気づかなかった。他の皆も動揺して
いるし…それに何だかこの人の後ろにオーラのような
ものを感じる。


「何だ貴様は!此処の術者か!!勝負するつもりなら
この僕が!」


「威勢のいい護衛だね。勝負するのはいいけど、弱い
もの虐めをするのはしたくないしなぁ。あ、言い忘れ
てたけど君達に力を貸す力なんて此処には存在しない
からね。君達は余所者なんだから当たり前だけどね。」


すっごい笑顔で怖い事言われた。でも、どういう事
だろう…もしかして此処では魔力が使う事が出来な
いって事!?同じ魔族の土地なのに??


「残念だけど…君が魔族の土地なのに使えると思っ
てる魔力は使えないよ。だから君は、一番此処での
弱者だね。何にも独りではすることも出来ないただ
のお荷物だよ。」


「ねぇさっきから聞いていればさぁ僕達の事を傷つ
けることばかり言ってくれてるけど君は、誰なのさ?
名乗るぐらいしなよ」


「へぇ僕のおかげでこの国に来れたのに随分な言い草
だね。今此処で、君達を処分する事だって僕には…
僕達にはする権利があるのにね。ねぇ、君も姿を現し
たらどう?精市」


「ばれちゃったか…いやぁ君が楽しんでるとこを邪魔
するんのは、悪いと思ってね。でも、しかし本当に
無様な姿だね。周助が言った事に対して否定する事も
出来ないんだから其処の魔王様はさ」


「…魔王の君が、魔王様が言うのは変な感じだね。
まぁ君の方が魔王に相応しいけどね。」


「挨拶もせずにすまなかった。我々は、眞魔国から
来たものだ。グウェンダルと言う。此方の方は、貴方
達が話している魔王の渋谷有利と言う。だが、貴方達
が思うような弱者では、ない」

「そうだぞ!有利は、へなちょこだが立派な王だ!お前
達なんか有利が本気を出せば足元にも及ばないだろう
な!!」

「そうですよ。坊ちゃんは、強く、優しく頼りに
なるお方だ。だから、甘く見ないほうがいいですよ」

「そうだな。陛下、いや有利は誰よりも優しく自分の
事のように一生懸命考えてくれる。俺は、そんな有利
になんども助けられてきている」

皆が、俺の前に立って色々言ってくれている。でも、
あの二人の表情は笑っている。それも、楽しそうに…


「…もう、終わったかい?茶番劇はさ。俺達は、今
から城に君達を連れて行かないと駄目だからさ早く
してほしいだけど。」

「僕は、早くあの子を見て癒されたいよ。でも、今は
他国に独りで行っちゃってるからなぁ…はぁ」

俺達の事を茶番劇とか…何だよそれ

「あんた等さっきから何なんだよ!!好き放題言って
さぁ何様のつもりなんだよ!!きっとアンタ達の王っ
てのも対した事ないんだろうな!」


「渋谷、落ち着いて。君の目的は会いたい人が居る
からだろう?」


「…そう、じゃあ会わせてあげるよ。僕達の王様
にね。ま、独りは此処で会ってるんだけどね。精市」

そう最後に聴こえたと思ったら暗い闇が俺達を包ま
れた。包まれた同時に悲しい記憶が溢れてくる。



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