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テニスの王子様 
1 庭球side

「眞魔国同盟ね…」


リョーマの手に握られた一通の手紙…その手紙は、二つに裂かれ火の焼却炉へと風に乗り燃やされていく


馬鹿みたい眞魔国なんて…この世界の仕組みも知らない
地球から来た普通の人間が統治する国なんて。
それにどちらかの世界を捨てれない王様の国なんかと
同盟なんか結ぶ何て馬鹿げてる


「リョーマこんなとこに居やがったのか…部屋に迎えに行けばいねぇから探しまくったぞ」


後ろから軽く息を切らす声と一緒に聴こえる言葉に振り返ると声を其処には海堂王子が居た。息は切れてるし俺の事を一生懸命探してくれたのだと分かる


「火の傍は危険だから近づくなと言われてるだろう」
そう言って俺の手を後ろに引いて遠ざける


「今日は此処に用事があっただけ。それにみんな俺に過保護すぎるよね。流石にこの歳になって火を触ろうとかしないよ」

火には危険だから行くときは、誰かと一緒に行けとか
…まだ他にも沢山言われてるけど


「何だコレは…」


海堂王子が俺の足元に落ちている紙切れを拾った。そは
眞魔国の模様ようなものが書かれている一部で…


「これは、最近届いた眞魔国との手紙だな。通りで探しても見つからないはずだ。リョーマはコレを燃やしに
此処へ来たのか?」


「そうだよ…こんな物を燃やしたかったから。手塚さんには、悪いとは思ってるけど…地球から来て何も知らない人間の王様が統治している国の事なんか関わりなんて持ちたくないから…それに」


何言ってるんだろう…こんな事言ったって海堂王子が困ってる顔してる。その前に何で俺こんなに地球から来た奴の事悪く言ってんだろう。


「それに…、どちらかを選べない王様なんて王になる資格なんて無い」


そうだ…許せないんだ。真実も知らずに呑気に生活している王様の事が…


「リョーマ、思い出さなくていい。お前はこの国の事だけ考えとけばいい…此処はお前の居るべき場所で帰る場所なんだからな」

そう言って海堂さんが俺を腕に閉じ込める。そして俺は昔、家族に何も言わずに異世界の世界を選んだ事の記憶の事を思い出す


俺が居なくなった家族の顔を離れたと事で見ていた。
でも、俺は何も言わずに小さくごめんなさいって言
って飛び込んだ瞬間、親父と目があったような気が
したんだ


「そろそろ城の中に戻ろう。みんな、心配してる」


「うん…」


その後、俺が処分した手紙の事を謝った。でも、誰も
俺の事を怒らないで笑って許してくれた




手塚side

「……」

リョーマが燃やした眞魔国からの手紙。きっとあんな物を燃やしてもあちらにも次元を渡る術師が居るだろう。
だが、俺達の国に踏み入れられる事は避けたい。
リョーマがそれを望んでいる。


それとあの国は、黒を身につけるものに凄い敵意を出す。俺達の国は黒髪の人間なんて沢山居る。この国の人達を傷つけられては困る


「どうしたの手塚王?。怖い顔してさ…」

この国の魔術師の一人周助がニコニコ笑みを浮かべながら近づいてくる


「周助か…眞魔国をこの国に入らせないような手段を
考えていてな」


「あぁ、リョーマ君が嫌がってるからでしょう?でもさ、それならいっその事招き入れてあんな弱者の王様
に真実を突きつけてあげたらいいじゃない。あの国の
護衛達は甘いで有名だしね。」


真実を突き告げるか…周助の案はいいかもいしないな。
それならリョーマは、どうするか…
それと他の国にも連絡を入れなくてはならんな


「自分独りで何も出来ない奴って僕って嫌いだからね。自分の魔力だけしか頼るしかできない弱者」


ふっ周助は、他人の国の奴以外には厳しいな。ま、俺も少しは思っていた事だがな


「あ、リョーマが城の外に独りで行ったみたいだね。
全く内の王子様は動き回るのが好きなんだから。まぁ
リョーマ君が行ってる方向には氷の国があるし大丈夫
だね。」


「あぁそうだな。だが、跡部にも連絡をしておこう。
それと周助、お前のおかげで解決しそうだ。」


「そうかい?僕に手伝える事があったら何でも言って
良いからね。手塚王。それとそろそろ仕事に僕も
行って来るから」

そう言って最初と同じ笑みを浮かべて去っていった


「俺も仕事に戻るとするか…」

部屋に戻って眞魔国の連中が来たときの対処の仕方を
考えるとしよう






リョーマside

城から抜け出して俺は、何処へ行こうとしてるんだろう…ただ、俺は頭を少し冷やしたかっただけ
もう、戻りたいなんて思ってはない。あんな世界には…
でも心の残りがあるとすれば親父達に伝える事ができなかった事だけ


「冷たッ」

木が凍ってる。その溶けてる雫が頭の上に落ちてきたのか…じゃあこの辺りには、氷の国の近くなのかな。
皆でここに来たときは、馬車だったから景色なんて見てなかったし


「綺麗…森の道ってこんな風になってたんだ」

氷は冷たいけどそんなに寒いって訳じゃあない…薄着でも行けるってぐらい。俺のとこは、ずっと春みたいな
気温だから何だか新鮮。


このまま、氷の道を辿って行ったら氷の国の城に着く
かな?日吉さん、俺が一人で来たことに驚くかな。
でも、不二さんに気づかれてるよね。この辺りはって言うかこの国全体は魔力が溢れてるから

パリ…パリ

氷が近くで割れた。それと同時に知った気配がする。
やっぱり日吉さんだ…

「チビ助…薫が心配して先に俺の城に来たぞ。見失った、一緒に探すの手伝ってくれってな。全く気配消してうろうろすんじゃねぇ」

日吉さんの後ろに氷の動物達がいる。此処のものは
全部氷から命が出来てるんだ

そんなことより、また迷惑掛けちゃったな。後で
謝りにいかないと…昼の事もあるし

「かわいいっすねその動物達」
でも、その前に動物達の事が気になる。氷で
出来てるから冷たいのかなぁとか…それとも
普通の動物のように暖かいのかなぁとか

「…あぁコレか。持ってみるか?」

日吉さんが一匹持ち上げて渡してくれる。持ったとき
は、ひんやりと感じていたけど持ち続けてるうちに
暖かいと感じるようになった

「それ、持って城に来ても構わない。だから俺の城に
行くぞリョーマ」

俺は日吉さんの後ろに続くように氷の道を歩いて
行った

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あきゅろす。
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