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テニスの王子様 

?side

子供達が己の過去と向き合い前を向かない限り、奴等を
倒す事は不可能に近い


永遠に倒しても倒しても復活するだろう


あの子以外の子供達は過去は過去と割り切って今を生
きていこうと前を向き歩き出している。
だが、それを引き止めているものが幼き我が主。
主は、心の奥底で過去の傷を苦しみ続けている…そして
今回の敵は闇から出来た虚だ、
闇の虚は、悲しんでいる記憶を餌にする。それを喰われたら元に戻すのは…





財前side

謙也さん…護衛対象の白石部長と二人で居る事が多く
仲がいいのだと思う。部長と一緒に見ていて気がつい
たことがある。それは、謙也さんの表情に嘘が混じっ
ていると言う事や。
時々、人間達に囲まれて話しているときに表情が引き
つる事が一瞬あった。その事は、ほかのR陣も気づい
ているようで…その表情に疑問を持っているようやった


俺は一度、表情の事を聞いてみた事がある。そしたら、
表情が消えて暗い顔になった。そして話してくれた。
でも、それは凄い悲しくて怖かった。
謙也さんは、足に大怪我をした原因が仲間だと思ってた
人達にやられたって言って笑ってた。それは、とても
苦しそうな笑みやった。そして最後に言っていた。


仲間なんてもう作りたくなかったて…


「部長…」


「ん?なんや、財前?」


「謙也さんの本当の笑み早く見れるといいすね。」


「ホンマにな。相談ぐらいしてくれてもえーのにな。
でももしかしたら、謙也の従兄弟の侑士なら何か知っ
とるかもしれんな…でも、俺は…」


部長の言葉は途中で途切れた。迷ってるんやと思う。
何処まで踏み込んでいいのか分からないのだろう…
俺もそうだ…それに俺だって踏み込まれたくない過去
ぐらいあるから…でも、前を向かないと俺は、俺達は
止まったままだ。それじゃあいけないと思ってるけど


『俺は、人間なんて大嫌い。弱いくせに群れたがる』


あの人が言った言葉が聴こえる。駄目だ、先にあの人を
救わないと…
それにあの人が苦しいと俺達も悲しい

「財前、俺はやっぱまっとるわ。俺はアイツの抱えてるもんを話してくれるまで待つ。それが一番えぇんや…
もう、この話はしまいや。部活の時間はまだ、終わってないで!はよ、財前も参加してきぃ!!」


そう言って俺の背中を強く押す。仕方が無いので俺は
コートに向かいながら謙也さんの姿を探す。
だけど、其処に居るのは謙也さんの姿をした、義骸で…


「謙也さんは、俺達と同じ死神?」


知らんかった…謙也さんは、俺達と同じ死神?
それやったら今、謙也さんは虚と戦ってるんか…
はよ、いかな。

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