再襲 誰か三人目の人物に左の腕を背後から捕まれ後ろ手に右手首と繋がれた。 手錠だ。 後ろから抱きつくようにして、未鷺は目を掌で覆われた。 「だーれだ」 楽しげに耳元で囁かれ、未鷺は顔をしかめる。 「卑怯なことを。金井先生」 「正解」 名前を口にすると金井の手は目から放れ、未鷺のベルトにかかった。 「……何を」 「考えたんだけど、弱みを握られた場合って握り返せばいいんだよな」 未鷺は身をよじって顔を金井に向けた。 嫌な笑みを浮かべた金井は未鷺のベルトをはずすとそのままスラックスのチャックを寛げた。 「やめっ……」 「やっと自分の立場がわかった?風紀委員さん」 金井の生温い手が未鷺のボクサーパンツの中に侵入した。 手は迷うことなく未鷺の性器に触れるとそれだけが露出するように下着の外に掴み出された。 「恥ずかしいカッコ」 言われなくともわかることを言われ、未鷺の顔は羞恥に歪む。 全ての抵抗を許さないといった動作で背中に密着し腕を前に回してくる金井に成す術はない。 「綺麗な色してんな。使ったことないの?」 耳元で嗤われ、未鷺は唇を噛んだ。 そうしている間にも輪を作った金井の指が未鷺自身に刺激を与え始めた。 「くっ……ん」 「俺に歯向かうからこうなんの?わかりました?」 「お前は、捕まれっ……!」 「わかんない子だな。悪い子にはお仕置きすんぞ」 片手で扱かれ、残りで先を弄られてしまっては、意思に反して未鷺のものは硬く勃ち上がる。 「よろしく」 金井が片隅に立っていた生徒に声をかけた。 彼の手に握られた携帯を見て、未鷺は硬直する。 未鷺のものから一度手を放した金井は未鷺の小さい頭を携帯に向けて固定した。 フラッシュと共にシャッター音が響く。 「ちゃんと撮れた?」 金井が尋ねると生徒は携帯の画面を向けてきた。 未鷺は自分の見たくもない淫らな姿を視界に収めてしまい、強く目をつぶった。 「よく撮れてんね。帰っていいよ、ありがと。鍵閉めといてくれる?」 フラッシュにより白く発光する画面の中の未鷺の姿に満足したのか、金井は自分のポケットから鍵の束を生徒に投げて渡した。 「はい」と小さい声で返事した生徒は小走りして化学室から出て行った。 「さてと。ここで終わりにしてあげようと思ってたけど菖蒲って会計とヤリまくってんだってな?それならつまみ食いくらいいいよな」 未鷺を膝立ちにさせて金井は正面に回った。 「まずは舐めてくれる?」 口を閉じて拒み続ければ鼻を摘まれ、耐え切れず口を開いたところで金井の男根が突っ込まれた。 激しい嫌悪感で未鷺は震えた。 「初めてじゃないんでしょ。もっと上手に出来ないの?」 未鷺の前髪を掴んで隠れていた顔を覗くようにして金井は嘲笑った。 「俺のことイカすまでイカせてあげないよ。歯立てやがったら容赦しないから」 先程散々弄られた自身が更なる快感を求めているのと、口内に受け入れてしまった感触への不快感で、未鷺は固く目をつぶった。 冷静になれ、と自分に言い聞かせる。 このまま屈辱的な行為を続けさせる訳にはいかない。 しかし、後ろ手に繋がれた手首と今の格好を考えると逃げ出すことは困難に思われた。 あれこれと考えているうちに頭を左右から両手で持たれた。 「何か考え事してんの?」 金井が腰を前後に振り始めて、唇を撫でながら出入りする雄の象徴を強制的に意識させられてしまう。 呼吸が上手く出来ず苦しい。 「んっ……ぐ」 早く終われと思うがこれが終われば次に何をされるのか考えたくもなかった。 未鷺は初めて誰かに助けを求めたい気持ちになる。 そしてポケットの携帯の存在を思い出した。 (*前へ)(次へ#) [戻る] |