[携帯モード] [URL送信]
負けられない戦い



白い躯がベッドの上で跳ねる。
微かな水音と押し殺したような喘ぎが元秋の興奮を煽る。

「やっ……もう、無理だっ」

未鷺の細い脚の間に顔を埋め、彼の性器を口に含んだ元秋は、そのまま顔を上げる。
仰向けに寝たまま頭だけを起こし、潤んだ目で「やめろ」と訴える未鷺。
しかしその目には情欲も含まれているのは明らかで、元秋はにやりと笑う。

「気持ちいいんだろ?お前のから汁が溢れてきてんぞ」

一度口を放して言ってやると、未鷺は両手で顔を覆ってしまった。
完全に勃ち上がった未鷺のものを再びくわえ、元秋は唇で締め付けながら吸う。

「あぁっ……や、んっあ!」

びくっ、と大きく身体を揺らし未鷺は白濁を吐き出した。
直前で口を離した元秋は掌でそれを受け取り、その手で未鷺の腹を撫で回す。
ぬめって光る肌は未鷺の艶めかしさを強調した。
元秋は荒い息をする未鷺の膝裏を掴んで腰を浮かせる。
指に未鷺の出した精液を絡め後孔を撫でつける。

「なに、をっ……」

羞恥を煽られる体勢に未鷺は身を固くする。

「ちゃんとならしてやるから心配すん――うお!」

指を挿入しようとしたところで元秋の顎に未鷺のかかとが振って来た。
元秋が手を放した隙にベッドの端に逃げた未鷺は布団にくるまった。

「前を弄るだけと言っただろう」
「だからってアゴにかかと落とすなよ!」
「喉を狙ったのだが」
「急所を狙うな!」



昨日、2時間後に課題をやり終えた元秋が振り返ると、未鷺は元秋のベッドですやすやと寝息をたてていた。
その安心しきったあどけない寝顔を襲うことが出来ず、褒美は持ち越しとなった。
そこで元秋は翌日の土曜日、或人が不在の未鷺の部屋で「触れ合う」ことを提案したのだ。

どさくさに紛れて挿入までこぎつけようと目論んでいた元秋だったが、未鷺はそれを見越したように「後ろには触るな」と念を押した。
そして今に至った訳だが。

「さっきまで可愛く喘いでたくせに切り替えがはえーよ」
「黙れ。約束を破ったのが悪い」「んなこと言ったってならしてかなきゃ入んねえぞ」
「入れなければいい」

ぷい、と顔を背ける愛しい人は悪魔にも見える。
元秋はとりあえず今日は宥めてもうちょっと触らせてもらおう、と決めた。

「わかったわかった。もうお前が嫌がることはしねえからよ。こっち来いって」
「電話だ」

着信音1という名前であろう初期設定のままのコール音に気付いた未鷺は布団にくるまったままベッドを降りる。

「はい」

(次へ#)
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!