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一日目2


登校した未鷺を迎えたのはいつも以上の憧れの眼差しだった。

「未鷺様が山口を処罰したんだって」
「さすが未鷺様だな」

野原が出校停止になったことで、学園は以前のような平穏を取り戻していた。

未鷺も外見上は普段通りに過ごしていた。

「菖蒲、ちょっといいか」

放課後、二年D組の担任金井(かない)に呼び止められるまでは。

「何か」

金井は、丁寧に盛った茶髪と着崩したブランド物のスーツ、指に嵌めたおおぶりの指輪のせいで、とても教師とは思えない外見をしている。
顔が良いので生徒には人気があるが、彼の格好が風紀に良くないと考えている未鷺にとっては好ましくない人物だった。

「ここで話すのもアレだし、ついて来いよ」

未鷺は風紀委員室に行く途中だったが、教師の言うことなので仕方なく従う。

ついたのは少人数用の教室だった。

「いきなりだけど、お前に頼みがあんだよ」
「……何ですか」

風紀関係のことだろうと思いながらきいた。

「山口のことだよ」

山口。
金井のクラスにいる山口は野原だけだ。

「山口が何か」
「五日間の出校停止だっけ?アレ取り消してくんない?山口はこの学校来たばっかりだし校則とかわかんないでしょ。だから今回は見逃してやってよ」

お願い、と彼のファンならドンペリでも入れそうな困り顔で金井は言った。

「暴力行為はどこでも違反です。特別扱いは出来ません」
「お前なら何とか出来んだろ?頼むよ」
「お断りします」

金井も野原に嵌まった一人のようだ。
未鷺は無表情で告げると踵を返した。
これ以上金井と話す必要はなさそうだ。

「待てよ」

手首を捕まれ引き止められた。
振り払おうかと思ったが、相手は仮にも教師だ。
その迷いが隙を生んだ。
未鷺は気付けば壁に背を押し付けられていた。

「何のつもりですか」

両手首を捕まれたままでは抵抗も出来ない。
力だけでは金井が上だった。

「こっちが下手に出てやってりゃ何だよその言い草。気持ち良いこと教えてやったらその堅物は直るかな」

金井の顔には嫌らしく緩んでいて、未鷺は寒気を感じる。

「……やめてください」
「『やめてください』っていいね、そそる」

片手で未鷺の肩を壁に押し付けたまま、もう片方の手でワイシャツをズボンから引き抜く。
未鷺は体勢のせいで力の入らない手で金井を押し返すが、全く効き目がない。
金井は未鷺のワイシャツを薄い桃色の乳首が見えるところまで捲り上げてにやっと笑った。

「処女らしい初々しい色してんな。腰も細くて掴みやすそう」

性的な揶揄に未鷺は眉をひそめた。
無表情な未鷺が顔色を変えたのが面白かったのか、金井はさらに言葉を続ける。

「触ったらどうなんのかな」

腕を掴まれながら、金井は指先で未鷺の乳首を摘んだ。
未鷺が感じたのはちくりとした痛みだけで、快感には程遠い。
自分よりやや高い位置にある顔を睨んで唇を噛んだ。
声など上げてやるか、と思う。

「乳首弄られたことないの?開発してあげよっか」

執拗にこねくり回された左の乳首は赤みを帯びツンと勃ち上がる。
白い肌との対比が淫猥で、未鷺の羞恥心に拍車をかける。

「いっ……」

その先端に爪を立てられて鋭い痛みが走る。

「痛いだけ?」

今度は優しい動きで擦られ、痛みの中にむず痒いような感覚が生まれる。

「えっちな顔になってきたけど」

金井は余裕そうに言いながらも手の動きを早めている。
未鷺が視線を下げると金井の股間が盛り上がっているのが見えて、鳥肌が立つ。

「こっちも見てみよっか」

息も荒く金井は未鷺のベルトに手をかけた。

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