出会い2
二年ということは元秋と同じだった。
今までこんな目立つ生徒を知らなかったことを元秋は不思議に思った。
「菖蒲か。ま、抱かれたくなったら俺んとこ来いよ」
「誰が男に抱かれるか」
経験なしか、と元秋は笑う。
生徒の半数が幼稚部からエスカレーター式に上がってきたここ鳴鈴学園では男を恋愛対象や性的対象に含む生徒が大半だ。
中等部や高等部から入って来た生徒も、学園の生徒の見た目の良さも手伝い、流されている。
「これからは気ぃつけろよ」
すっかり目が覚めてしまった元秋は授業に出ることにする。
「待て」
未鷺がその背中を呼び止めた。
「抱かれはしないが、鬼原が良ければ友人になってくれないか」
変わらない無表情に、少しだけ照れが受かんでいる。
「ああ」
この時、かわいいやつだな、と思ってしまった元秋は既におちてしまっていた。
鳴鈴学園高等部二年の春のことだった。
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