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食堂で大騒ぎ2



元秋は野原に昼食を一緒に食べよう、と誘われていたので、断る理由もなくD組まで迎えに行った。
すると野原は一人ではなく、爽やかなスポーツマンタイプの男を連れていた。
橋本爽太(はしもとそうた)というやっぱり爽やかな名前だった。

しかしその爽やかさに似合わず、爽太は敵対心を剥き出しにして元秋を見てきた。
野原に惚れているようだ。

心配しなくても元秋には野原ではない好きな相手がいる。
後で教えてやろうか、と考えながら食堂まで行くと、爽太に対しての歓声と、野原に対しての嘲笑が広がった。

女々しい生徒達に寒気がする。
三人で席につき、運ばれてきた昼食を食べていると、どっと食堂が湧いた。

「生徒会の皆様だ!」
「皆様がお揃いだなんて……!」

まるで神が降臨したかのような騒ぎようである。

なぜか生徒会役員らがこちらに向けて歩いて来たので、元秋は目を見開いた。

「あっ、慎一だ!」

周りより高いボーイソプラノで野原は言い、副会長に手を振った。
手を振り返して笑顔を見せた慎一に、生徒達はざわめく。
悲鳴をあげるものまでいた。

「野原君、学園はどうかな?」
「楽しいよ!元秋と爽太と友達になれたし」

野原が言うと、生徒会の面々は元秋と爽太に視線を向けた。

「なんだァ?ヤ○ザの鬼原がお友達かァ?」
「今日もこっわい顔ー」

黒髪を立てた目つきの悪い男と、天使のようなふわふわしたブロンドの少年が言った。
野原は二人を見ると首を傾げる。

「お前達も生徒会か?なんか二人ともそっくりだな!」

野原に言われて先程の二人は目を丸めた。

「僕たちがそっくりだって思うの……?」

天使のような方が呟く。

「この二人は双子だよ」

爽太が野原に囁いた。
間口空(まぐちそら)と陸(りく)は二卵性双生児だった。
口が悪く目つきの悪い陸は悪魔と呼ばれ、華奢な美少年の空は天使だと言われてきた。

「似てるって言われンの初めてだな」

そう言って右の口角を上げた陸は嬉しそうだった。

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あきゅろす。
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