食堂で大騒ぎ
未鷺が食堂に行くのは二年生になって初めてだった。
中等部から上がってきた佐助が昼食を用意してくれるようになって、すっかり甘えてたのだと気付く。
未鷺が現れた途端、一瞬の静寂の後、騒ぎ出す生徒達。
話し掛けてくる者はいないが、未鷺の姿に感嘆を漏らしている。
「かっ、かわいい！」
「馬鹿野郎！未鷺様は美しいんだよ！」
「相変わらず美人だなあ」
「抱きてぇ……」
いちいち生徒の反応を気にしていられない。
未鷺は注文を済ませると端の窓際の席に座った。
ここなら目立たないし、外の景色を見ながら食べられる。
注文した定食が運ばれてきたところで食堂が再び湧いた。
振り向いた未鷺は靖幸と慎一、書記二人が入って来たことを確認し、昼食に視線を戻す。
生徒会役員が揃って食堂に来るのは珍しい。
生徒達が興奮するのは無理もなかった。
混乱が大きくなるまでは風紀委員が動く必要性はないだろう、と未鷺は手を合わせると箸を進めた。
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