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生徒会長の思惑


生徒会室でパソコンを前に頬杖をついていた靖幸は、転入生を迎えに行っていた慎一が帰って来ると顔を上げた。

「ご苦労。転入生どうだ?食えそうか」
「ダサい格好の平凡だったよ。僕は無理」

いつもの微笑みで慎一は答えた。

「そういえば靖幸、昨日の会議の後で菖蒲未鷺のことを虐めてたんだって?」

クラスの生徒が興奮しながら話していたのを聞いた。
彼らの脳内では未鷺は素直になれないだけで靖幸が大好きな設定らしいが、そうでないことを慎一は知っている。

「虐めた?遊んでやっただけだが」

靖幸は無表情に見える未鷺のわずかな変化を読み取ることが出来た。
嫌がる姿にそそられる。

「早く抱いちゃえばいいのになんで手出さないの」

学園で見目好い生徒とはほとんど寝てる靖幸が、学園で一番の美人と言われる未鷺を抱いていないのを不思議に思った。
竜ヶ崎家と菖蒲家の現状を考えると靖幸が優位なのは明らかだった。

「あいつは自分から来させる」

不敵に笑みを浮かべる靖幸を見て、慎一はある噂が脳裏に過ぎった。

――竜ヶ崎靖幸は菖蒲未鷺にだけ本気。

根も葉も無い噂だが、意外と有り得なくもないか、と慎一は思った。
とりあえず野原のことから話題を反らすことに成功した慎一は、内心胸を撫で下ろしていた。

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あきゅろす。
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