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避難所

未鷺は自分の部屋に帰りたくなくて、元秋の202号室に向かった。

いつも元秋を訪れる夜中とは違って、夕方の廊下は一般生徒が歩いている。
未鷺が来たことでざわつく廊下に内心ではうんざりしながら人がいなくなる一瞬を待って元秋の部屋のチャイムを鳴らした。

他の生徒に見られないうちに出ろ、と未鷺は念じた。

未鷺が一般生徒の部屋に入ったと知られたら性的な噂を立てられるに決まっていた。

「よう」

扉が開くと腕を捕まれて中に素早く引き込まれる。
そのまま抱かれた未鷺は元秋の上半身が裸であることに気付いて、慌てて身体を話す。

「お前は!服を着ろ!」

未鷺は頬を染めて顔を反らした。
元秋の厚い胸板や堅い肌が男らしくて鼓動が激しくなる。

「着替え中にお前が来たからだろうが。照れんなよ可愛いな」
「服ぐらい着てから出ろ」
「俺の部屋に来るとこなんて他の生徒に見せたくねえんだろ」

元秋の言うことはもっともだが、未鷺は顔に溜まった熱が戻らない。

ああ、我慢できねえ、と元秋は呟く。

まだ未鷺が顔を背けているのをいいことに、背中から抱き着いた。
未鷺は抵抗せずに上目で睨んで来る。

「なんのつもりだ」
「愛情表現だよ。気にすんな」

そう言って元秋は未鷺の額にキスを落とす。
さらに密着した身体に、未鷺は気付いてしまった。

腰の上辺りに、何かかたい物が当たっている。

「……お前」

未鷺は顔から火が噴き出すかと思った。
身長差から考えて、当たっているものとは、

「やべえ、勃っちまった」

平然と言ってのける元秋から未鷺は逃げ出そうとした。
こんなに焦る未鷺を見るのは初めてで、元秋は思わず笑みを漏らした。

未鷺に回した腕を離さず、腰を撫で回すと下腹部に手を這わせた。
びくっ、と未鷺の身体が揺れるのが嬉しくて元秋は止まらない。

「お前いつもどうやってヌいてんの」

低い元秋の声が耳元で響く。

「……風呂で出すだけだ」

消え入りそうなほど小さな声で未鷺は答える。

「扱いて?」

元秋の問い掛けにも震えるように頷く。

「もったいねえな」

軽々と未鷺を抱き上げ奥の個室にあるベッドまで運ぶ。
優しく未鷺をベッドに下ろすと元秋は覆いかぶさった。

「いきなり抱いたりしねえからそんな顔すんな」

未鷺の目にわずかに怯えが浮かんだのを見て元秋は苦笑する。

「何する気だ」
「仲良く扱き合うだけだよ」

未鷺の皺ひとつないブレザーを脱がせ、椅子に引っ掛かるように投げる。
紺色のネクタイも同じくし、ワイシャツのボタンを上から二、三個開けた。

ベルトを外しチャックを寛げたところで元秋は抵抗がないことを不思議に思い、未鷺の顔を見た。
枕に顔を押し付けているが、耳は真っ赤だ。

「嫌じゃねえのか」
「今日はお前に流されたい気分だ」

少しだけ元秋を向いた未鷺の目は潤んでいて、壮絶な色香を放っている。
煽られ続けた元秋は性急にズボンを脱ぐと未鷺のワイシャツを全開にし、中に着ていたTシャツを捲り上げた。
白い胸に咲く淡い桃色の乳首に吸い付きたい衝動にかられながら元秋は未鷺が下半身に纏っていたものを奪い取った。

綺麗だ、と思った。

未鷺はものごころついてから誰にも晒していない下肢を見つめられて息が止まりそうなほどの羞恥に襲われる。

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あきゅろす。
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