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スロットコーナーの半分を押さえたシャグラーのシマ。
ぬるま湯に浸かりきったオヤジ達が、今日も持参の水筒から茶をだし乾杯を交わしている。

俺はそんなアットホームな雰囲気のオヤジ達に群れるような真似はしない。
かき集めたリッチを握って、タバコ代を稼ぐ為だけにここにきた。


今月こそ……ヤバイかもしれない。




「なぁ〜、カラオケ行こうぜ?」
「ね、ちょっとだけ。」


俺よりKYな、派手なバンドマンといっしょに派手な女がシャグラーのシマに入って来た。
ぎゃあぎゃあと騒ぐのは……やっぱりな、奈子だ。
例のバンドマン針谷も一緒だ。


「ここ、タバコの煙きついし、くせぇし……。……加えてこの大音量の音!!耳まで響いてうるせぇ……」


思いっきり帰りたそうな針谷の腕に奈子のソレが絡まると、針谷の顔がポッと赤くなる。


「この台にね……わたし、特別な思い入れがあるの…」
「……は?」
「この台のココ!!この輝き!!このランプがつく度ハリーを思い出すの。……ハリー輝いてるよ!」


……輝いているあたりがきいたのか。
微妙な顔をし、ワケわかんねぇ…!!といいつつ顔はデレデレしまってない。


俺は知っている。
ランプのその輝き…
いつ光るか分からない、どこで光るのが分からないのはシャグラーシリーズの定番だと言う事を。

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あきゅろす。
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