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「へーじゃあ、誰?」
「べ、別に誰でもいいだろ。」
「かー、女からの貢ぎ物かよ。」
「そんなんじゃないよ。そう言う針谷だって……」
「うっ」


指指したオレの弁当のラインナップは、唐揚げと甘めの卵焼きとウインナー。御丁寧にタコとカニまであしらってある力作だ。
やめろって言ってんのにオフクロは今日もちまちまと芸を見せる。


「う、うるせぇっ!!……あ、いっこもーらいっ」
「オイ、ってお前っ」


口を押さえて笑いを込み上げる佐伯の隙をついてサンドイッチを頬張った。


「……って、うわ、うめぇ……!!」
「いや、まぁ、……そうか?」


嬉しそうに照れる佐伯のこの顔。まさかオマエの……


「……手作り?」
「うっ。」


「へー、スゲェじゃん!!ギターはからっきしでスゲー不器用なのに。人間一個は取柄ってもんが…」
「ウルサイ!!」


得意のチョップがオレの頭にクリーンヒット。痛む頭を押さえて、セットが崩れてねぇか気にしてる隙に唐揚げを取られた。


オレの最後の唐揚げ……


「あー最後の一個だったんだぞ!!」
「針谷が悪い。」
「テメェ!!」


クスッ……


空気を含んだ笑い声に振り向くと、そこには思いがけない彼女の姿があった。


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あきゅろす。
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