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小間使いの復讐






 翌朝、教室に着くと、珍しく伊織が先に来ていた。


「おはよう、伊織。今日は早いんだね?」


 満面の笑みで、今日も伊織に挨拶した。


 それに気付いた伊織が、嬉しそうに僕に駆け寄ってきて、


「おはよ〜!風香!!ねぇ、聞いて聞いて!昨日ね、芦原様からメールがきて、今度の休みに何処かに行こうって!!」


 うれし〜!!と僕にしがみ付いて喜んでる。


「芦原って、会長様ぁ!?すごいね!あの会長様からのお誘いのメールが来るなんて、やっぱり、恋人はちがうなぁ!」


「うん!ふふっ、ありがと!!・・・・・・・実はね、最近、芦原様の態度が少し冷たくなったような気がして不安だったんだ。」


「そんな・・・。けど、お誘いのメールを貰ったんでしょ?愛されてる証拠じゃない!」


「っ!?そ、そうだよね!?ふふっ何、勝手に不安になってたんだろ!」








 理解ある親友の振りをして、伊織に笑顔を振りまく。



 よかったね?伊織。


 
 せいぜい楽しんでおいでよ。



 僕が、わざわざベッドで、睦言代わりにおねだりしてあげたんだから。



 ねぇ、僕、笑えているでしょ?



 今まで見たいな引きつり笑いじゃなく、本当の笑顔でさ。



 前までは、苦痛で仕方が無かった、伊織の自慢話も、今はおかしくって仕方が無い。



 せいぜい僕の手のひらの上で踊ってよ。



 僕の手で作り出された、偽物の幸せに酔いしれればいい。



 偽物だって、本人が気付かなければ、本物の幸せにだってなれるんだよ?



 だから、まだ今は教えてあげない。



 お前の恋人は、僕に溺れているなんて・・・。





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