小間使いの復讐 7 翌朝、教室に着くと、珍しく伊織が先に来ていた。 「おはよう、伊織。今日は早いんだね?」 満面の笑みで、今日も伊織に挨拶した。 それに気付いた伊織が、嬉しそうに僕に駆け寄ってきて、 「おはよ〜!風香!!ねぇ、聞いて聞いて!昨日ね、芦原様からメールがきて、今度の休みに何処かに行こうって!!」 うれし〜!!と僕にしがみ付いて喜んでる。 「芦原って、会長様ぁ!?すごいね!あの会長様からのお誘いのメールが来るなんて、やっぱり、恋人はちがうなぁ!」 「うん!ふふっ、ありがと!!・・・・・・・実はね、最近、芦原様の態度が少し冷たくなったような気がして不安だったんだ。」 「そんな・・・。けど、お誘いのメールを貰ったんでしょ?愛されてる証拠じゃない!」 「っ!?そ、そうだよね!?ふふっ何、勝手に不安になってたんだろ!」 理解ある親友の振りをして、伊織に笑顔を振りまく。 よかったね?伊織。 せいぜい楽しんでおいでよ。 僕が、わざわざベッドで、睦言代わりにおねだりしてあげたんだから。 ねぇ、僕、笑えているでしょ? 今まで見たいな引きつり笑いじゃなく、本当の笑顔でさ。 前までは、苦痛で仕方が無かった、伊織の自慢話も、今はおかしくって仕方が無い。 せいぜい僕の手のひらの上で踊ってよ。 僕の手で作り出された、偽物の幸せに酔いしれればいい。 偽物だって、本人が気付かなければ、本物の幸せにだってなれるんだよ? だから、まだ今は教えてあげない。 お前の恋人は、僕に溺れているなんて・・・。 [*前へ][次へ#] [戻る] |