小間使いの復讐
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確かにかわいい顔をしている。くっきり二重に柔らかそうな髪。
自慢したくなるのも分かる。
けど、何となくだけど、嘘臭いテレ方が気の強さを滲ませているような気がした。
しかも、プライドの高さを感じた僕は伊織先輩が来る前に土居共々、早々にお引取り願おうと、
「じゃあ、今日は恋人と二人で食べに行くんだろ?早く行かないと食堂で座る場所がなくなるぞ?」
遠まわしにさっさと食堂に行けと伝えてみた。
すると、こんな時だけ野生のカンが働くのか、ニヤニヤしながら土居が俺に声を掛けてきた。
「なんだよ。せっかく俺の可愛い恋人を紹介してやったってのに、お前の恋人は紹介してくれねぇのか?」
「いや、別にそんなつもりはないんだけど。」
得意顔の土居の恋人さんに悪くてな。
「三春。コイツにも恋人が出来たんだって。」
「えぇっ!?」
えぇっ!?てのはなんだよ。えぇっ!?て。
「コイツ地味だろ?だからどんな奴がコイツと付き合ってんのか興味ねぇか?」
「あるあるっ!!きっと可愛い子なんだろうね?」
いやいや、心にも無い事を言っていますって顔に書いてあるから。
「ば〜か、三春より可愛いやつなんていないよ。」
「もう!土居君たら/////」
イチャ付くのはいいけど他所でやれって。
「お前ら本当に仲がいいな。それにしても、春人の恋人遅くねぇか?」
「え?・・・うん。」
そういえば、三春くんが来てから10分近くたって居る。どうしたんだろ?伊織先輩・・・。
気になって、ドアを見てみるも伊織先輩の姿はなかった。
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