星野視点 2
雪SIDE
「もしもし、おじさん!?出来たの!?・・・やった!じゃあ、今から貰いに行く!!。」
叔父さんからの、肯定の返事を聞いた途端に電話を切って、部屋から出ようとしたところで、変装をしていない事に気付いた。
叔父さんは、もちろん俺の本当の姿を知っているけど、叔父さんの部屋に行くまでに、誰に会うか分からない。
慌てて、俺は、変装をしてから、叔父さんが待つ、理事長専用のプライベートルームへと急いだ。
チャイムを押すと、叔父さんが直々に出てきて、俺を中へと通してくれた。
「ここで待っていなさい。」と、叔父さんが、奥の部屋へ取りに行っている間、俺は応接室で、待つこととなった。
一番目立つところに、巨大水槽が置いてあり、見た事のない綺麗な色の魚達が、のんびりと泳いでいた。
うわぁ・・・綺麗だぁ
魚に気を取られていると、叔父さんが奥の部屋から、小さな箱を持ってきて、「開けて見なさい。」と、俺に渡してくれた。
早速、中を開けて確認すると、本物の四葉のクローバーを加工した、ペンダントが入っていた。
「それでいいのか?」
と優しい笑みを浮かべながら、俺に確認してきたから、
俺は、そのペンダントから目を離さず、
「うん、叔父さん完璧。」
そう呟くと、手にとって、光に翳(かざ)すとキラキラと透明な部分が輝いていた。
その輝きに、ウットリと目を細めていると、
「お前も、まだまだ子供だな。四葉のクローバーを欲しがるなんて。」
と、僕を見ながら、笑っていた。
「うん!どうしても、欲しかったんだ!!」
そう、どうしても・・・。
あの日、優希が部屋に来て眠っている時に、偶然見えたあのペンダント・・・。
どうしても、優希との繋がりが欲しくて、記憶だけを頼りに、ペンダントの特徴を叔父さんに伝えて、用意してもらったんだ。
優希・・・。
君と離れていても、このペンダントが君と僕とを繋げてくれる。
この繋がりだけで、俺は頑張れそうな気がするんだ・・・。
優希・・・。
大好きだよ?
俺は、ペンダントのトップ部分を持って、そっと四葉のクローバーに口付けを落とした。
あの、優希の柔らかい唇の感触を思い出しながら・・・。
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