星野視点
雪SIDE
[・・・さあ?そうだっけ?僕、興味ないから。]
紫藤のあの言葉を聞いた時の優希の顔が頭から離れない・・・。
頭の後ろに手を組んで、ベッドに横たわりながら先日の出来事を思い出していた。
優希・・・。
俯いていたけど、君の瞳に光る涙が一瞬だけ見えてしまった・・・。
紫藤のヤツ・・・。何で優しくしてやらないんだ?
俺には、あんなにも優しくしてくれるのに・・・。
いや、最近ずっと、紫藤に張り付いていて分かったんだけど、他の生徒達にも優しい。
まぁ、俺以外のヤツには、偽者の笑顔を振りまいているみたいだったけど・・・。
けど、優希に対するような、あんな態度は、絶対に他の生徒達にはとっていなかった。
なんでだ?
優希は、人に嫌がらせをしてくるような、そんな親衛隊たちとは違う。
本当に優しくて、真っ白で、穢れの無い・・・。
そう・・・そして、綺麗なビー玉の持ち主で、綺麗な声で笑って、可愛くて、それから・・・。
優希・・・。
あぁ、クソ!!
諦めらんねぇぇぇ!!!
一人、ベッドで頭を抱えて悶絶(もんぜつ)していたら、俺の携帯が鳴り響いた。
髪の毛がボサボサのまま、ベッドからムクッと起き上がって、携帯に表示されている名前を見てみると・・・
あ!もしかして出来たのか!?
さすがは、叔父さん!と携帯の通話ボタンを押した。
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