星野視点 6 それにいつの間にか、俺には本当の笑顔っていうか・・・優しい目をして笑ってくれる様になってたんだよな。 俺の名前を呼ぶ時は、特にそうだ。 なんだか、すごく大切な言葉を言うように、俺の名前を呼ぶ。 けど、時々俺を探るような目で見てくる時があって、バレたのか!?と焦ったことも何回かあった。 はぁ・・・。 マジで、紫藤は何考えてるか良くわかんない。 この前、それとなく双子に聞いてみたら、 「何々!?もしかして、愛しの川原くんの為にライバルである紫藤の事調べてあげてるの!?」 「わぁ!!愛だね、愛!!」 って、俺を茶化して遊んでるだけなんだろうけど、ものすごく図星をついた事を言ってきて、めちゃくちゃ焦らされた。 直球じゃダメだ、慎重に・・・慎重に・・・。 紫藤のほうをボーっと見ながら物思いに耽(ふけ)っていると、 「どうかした?何か悩み事でもあるの?」 と、紫藤が俺の顔を覗き込むように聞いてきた。 やっぱり、いいヤツなんだけどな? 何でもないと、返事をしようとした所で、生徒会室のドアが開いた。 入ってきたのは、日向先輩で、どこかスッキリしたように見える。 [*前へ][次へ#] [戻る] |