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ユキ







 何とか、食堂入り口に辿り着くと、皆のあの反応の意味が分かった。






 入り口には、楽しそうに笑っている生徒会会計の双子と、寡黙で、武道の達人である書記の日向正宗先輩が珍しく笑って後ろを見てた。




 そして、その後ろには、あの雪くんが龍馬君と一緒に生徒会の人たちと笑って話していたのだった。






 雪くん、生徒会の人たちと仲良くなったんだ・・・。





 休み時間も忙しそうにしてたのは、生徒会の人たちに会いに行っていたからなのかな?





 優しい雪くんに友達が増えるのは、とっても嬉しい事だけど、また、親衛隊に嫌がらせされないか心配だよ・・・。





 実際、こうしている間も、僕の後ろから雪くんに対する罵声が凄まじい。





 そのほとんどが、耳を塞ぎたくなるような内容だったから、僕は不安で堪らなかった。







 心配で、雪くんから目を離せないでいると、






















「ユキ。」






















 たった一言だったけれど、絶対に聞き間違えるはずが無い声が聞こえてきた。








 
 ユキ・・・







 その言葉に、心臓が止まるかと思った・・・。









 ずっと待っていた・・・。









 貴方に、その名前を呼んでもらえる事を・・・。










 諦めずに、ずっと、ずっと・・・。










 貴方に、見向きすらされなくても、









 僕にだけは決して、声を掛けてくれなくても、








 
 それでも、ずっと、ずっと、待っていんだ・・・。











 運命だけを、じっと信じて・・・












 けれど、










 その言葉に、微笑んで振り返ったのは、










 僕じゃなかった・・・。






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あきゅろす。
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