心配なノンちゃん
「何にもって・・・。」
何にもされてない、よね・・・?
「何にもされてないよ?って、あ!!」
そういえば、と続ければ、
「な!?な、なにされたのさ!!!」
と、噛み付かれそうな勢いで聞いてきた。
「ん〜?卵がゆ、完食してくれたんだ。」
ノンちゃんの勢いとは逆に、のんびりと答えたら、
「んもう!!心配させないでよ!」
と、今度はプンプン怒っていた。
クスクス、やっぱり可愛い。
「ん。それぐらいだよ。後は抱きしめられただけかなぁ?」
僕が、首を傾げて、考えながらそう言うと、
「ユキちゃんのバカ〜!!僕は、それを聞いているんだよ!?」
爆発したように、怒り出したノンちゃんは、「どこ触られたの?」と、僕の体を撫でながら、確認している。
「もう!やだ、くすぐったいよ!」
ノンちゃんの手の動きに、耐えられなくなった僕は、体を捻りながら、クスクスと逃げた。
「もう、星野と一緒に居ちゃダメだからね!?」
と言うノンちゃんの言葉が、昨日の雪くんの言葉を思い出させる。
<優希、・・・俺、やることが出来たから、これからは優希と一緒に居られなくなった。>
「・・・・・」
「・・・?どうしたの?」
急に黙り込んだ僕を心配したのか、いつの間にか俯いていた僕の顔をノンちゃんが覗き込んできた。
「ん?・・・ん・・・あのね、雪くんとは、もう、一緒に居れないんだ・・・。」
「・・・どういう、事?」
「・・・何かね、やる事が出来たから、僕とは一緒に居れなくなったんだって・・・。」
僕は、顔を上げて、苦笑いでノンちゃんに答えると、
「ふ〜ん・・・そう、なんだ。」
ノンちゃんは、そう言うと、何かを考え込んでしまった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!