星野視点1 雪SIDE あれからしばらくして、落ち着いた俺のために、優希は卵がゆを作ってくれた。 久しぶりに口に入れた食べ物が、腹に沁みる。 塩加減が良くて、すごく美味い。 美味い美味いと味わっていると、 「ふふっ、よかった。」 と、優希は微笑みながら、またおかゆを掬っては、フーフーと冷まして「はい、あ〜んして?」と俺に差し出してきた。 ・・・さすがに照れる。 けれど、口を開けなかったら、「お願い、少しでもいいから食べて?」と、瞳をうるうるさせながらお願いしてくるんだ。 だから、俺は顔を真っ赤にしながらも口を開けつづけている。 優希効果か、腹が減っていたからかは、わからないけど、気が付けば完食していた。 空になった小さな土鍋をおぼんに乗せて、キッチンへ運ぼうとすると、 「僕がやるから、雪くんはお風呂に入って来て?」 と、俺からおぼんを取ってキッチンへと消えていった。 ・・・そうだ。 そういや、一週間近く風呂に入っていない・・・。 って、うわぁぁぁぁぁ!!! こんな体で、優希のこと抱きしめちゃったよ!? 俺は、頭を抱えて蹲ってしまったが、こんなことしてる場合じゃないと、慌てて風呂場に向かった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |