雪の素顔
僕は安堵しながらも、雪くんの状態を確認するために、頭からスッポリとかぶってしまっている布団を、ゆっくりと剥いだ。
すると、そこには見たこともない整った顔立ちの男の子が眠っていた。
月明かりに照らされた彼は、驚くほど美しい容姿をしている。
・・・え・・・?
余りの事に驚いた僕は、サッと布団から手を離して、後ずさった。
あ・・・僕、部屋を間違えた?
そう思って、更に2、3歩後ずさると、何かに足を取られ、思いっきり尻餅を付いてしまった。
「・・・だれ?」
今の音で起こしてしまったのだろう、ベッドから身動きする音と共に気怠(けだる)げな声が聞こえてきた。
「あ・・・ご、ごめんなさい!」
僕は、慌てて立ち上がると、ベッドから背を向けて、ドアへと急いだ。
そして、ドアのノブに手を掛けた瞬間、すごい力で後ろから抱きしめられた。
「っ!?」
息を詰めて、びっくりしていると、
「優希・・・。」
掠れていたけど、聞きなれた声が、頭の上から聞こえてきた。
もしかして、この声って・・・
「雪、くん・・・?」
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