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 あれから数日が経った・・・。




 あの日以来、雪くんは学校に来ていない。




 
 机の嫌がらせは、無くなったものの、下駄箱への嫌がらせはまだ続いているようだ。





 片付けようと思ったけど、もう、二度と、雪くんに係わらないでと泣きながら訴えていたノンちゃんの姿を思い出すと、それすら出来ない・・・。




 ノンちゃんの、あんな姿は初めて見た。




 保健室で僕をベッドに寝かすなり、僕の手におでこを擦り付けてくやしいと泣きじゃくっていたノンちゃんが今でも目の裏に焼きついて離れない・・・。




 あの時の事を思い出すと、今でも体が震える・・・。




 正直、雪くんの友達に疑われたときは本当にショックだった・・・。





 僕が親衛隊という理由だけで、初めから僕の仕業だと決め付けているのが、悲しかった。






 僕は、僕なりに雪くんのことを大切に思っていたし、副会長親衛隊隊長である僕が、雪くんを守る側に回ることによって、ある程度の制裁を牽制できると思っていた。




 けれど、もう、それも今更だ・・・。




 雪くんの友達、龍馬くんの暴走には、目撃者が多すぎた・・・。




 S組の皆はもちろん、僕の怪我で激怒した副会長親衛隊までもが、雪くんを敵視しだしてしまった。




 人の気持ちまで、押さえ切れない・・・。




 制裁しないよう皆を抑えるのが僕にはやっとだった。










 そして、悪意は悪意を呼び、もうひとつ問題が起こってしまった。




 会長である、立花さんに執拗に迫られている僕を前々から嫌っていた会長親衛隊が、今回の事件を良い様に脚色して、ある噂を流してしまった。





 星野雪への制裁を指示していた川原優希が星野の親友である、西浦龍馬により暴行を受けたという噂だ・・・。




 この噂により、雪くんへの制裁は僕にすべて擦(なす)り付けられてしまった。




 もちろん、そんな噂を信用しているのはごく一部らしいけれど・・・。



 
 けれど、どこまで蔓延しているかは把握できないでいた。




 こんな根も葉もない噂、あの方の耳に入っていなければいいんだけど・・・。








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