親衛隊長
「クククッ、お前、何もしらねぇのか?憐れな野郎だ。」
「な、なんの・・・事だ?」
雪くんは、怯えたように会長の言葉に疑問を投げかけた。
「お前が必死になって守っている、川原優希は副会長の、紫藤の・・・」
「親衛隊長だ。」
「・・・紫藤の、親衛たい・・・ちょう?」
心底楽しそうに雪くんを眺めている会長に対して、雪くんは、絶望の表情で僕の顔を見ていた。
親衛隊長・・・。
雪くんも、親衛隊のこと・・・。
嫌いなのかな・・・?
確かに、制裁と言って、過激な苛めや暴行、強姦を指示する親衛隊も居るらしい。
実際に、そういう人たちと係わったことがないから、詳しくは知らないけれど・・・。
けれど、僕達、副会長親衛隊は、そう言った事は断じてしない。
僕とノンちゃんとで、徹底的に指導をしているし、なにより、制裁してしまったら、あの方が、悲しまれる事をみんな良く理解していた。
副会長親衛隊は、あの方をお守りするためだけに存在しているし、皆、それに誇りに思っている。
雪くんにも、いずれは分かってもらえるといいのに・・・。
そう願いを込めて、雪くんを見つめていると、彼に目を逸(そ)らされてしまった・・・。
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