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浅生(ノンちゃん)視点4
 


 ムカッ


 かっわいくな〜い。僕の話は仕事の片手間に聞く程度のモノだって決め付けてるってわけ?


 ムカついた僕は、紫藤がペンを上げた直後を狙ってサッと書類を取り上げた。


 ほら、これでもう仕事が出来ない。内心ほくそ笑みながら、僕の行動にどう出るのか興味津々で俯く紫藤を見つめ続けていると、


「・・・・・・・・・・・・・・君?」


 と一言だけ言葉を発してからゆっくりと顔を上げた。さっきよりも笑顔を深くして。


 うっわっ!これが怒ってる時の顔なのかな?


 日向の怒ってる顔よりも全然恐いよっ!!


 笑顔なのに恐いなんてある意味才能だね?


 妙な関心をしながらマジマジっと紫藤の顔を見つめていると、


「さっきから煩ぇんだよ。紫藤、話なら外でやれ。」


 立花の声が聞こえて来た。


 おっ!立花ナイスフォロー。これを利用しない手はない。


「だそうですよ?確かにさっきからH先輩が煩いですからね。」


 そう言うと、僕のすぐ傍で騒いでいる日向先輩が更に激怒した。


「H先輩とはなんだっ!!まさか俺の事ではあるまいなっ!!」


「んもう!せっかく個人を特定できないように言ってあげたのにぃ。」


「ここで頭文字がHの奴は俺以外に居ないではないかっ!!」


「え〜、そうですかぁ?」


「っ!きさまっ!!」


 とうとう完全にキレてしまった日向が僕の胸倉を掴んできた。


 デカイ日向の鼻先へ引き寄せられ、今は爪先立ちの状態だ。


 怒り心頭の日向が更に僕を持ち上げようとした拍子に、僕の第一ボタンが弾け飛ぶ。

 
 プチンッ


「きゃっ!!日向先輩のエッチっ!!」


 慌てて胸元を隠すフリをすると、


「なっ!!ち、違うっ!!決して俺はそんなっ!!/////」


 日向は僕から手を離して慌てふためいていた。


 僕は、素早く乱れた着衣を正すと、日向を観察した。


 おや、意外と純情なんだね。まあ、硬派のヤリチンってあんまり居ないのかな?


 内心ニヤニヤしながらもそれをおくびにも出さず、目をウルウルさせながら、


「H先輩って本当にエッチだったんですね・・・。」


 という演技を続けていると、紫藤の方から大きなため息が聞こえて来た。


「はぁ、分かったよ。確かにここじゃ煩くて仕事にもならないな。」


 それだけ言うと、紫藤はおもむろに立ち上がり、僕を生徒会室の外へと誘導してきた。


「手短に終わらせますから大丈夫ですよ。」


僕は上機嫌でそう言うと紫藤の後へと付いて行き、一緒に外へと出て行った。


ドアが閉まる瞬間までずっと言い訳(?)を続けていた日向は無視して。


「俺は断じて、不埒な気持ちでっ!!」


 バタン・・・




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あきゅろす。
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