生徒会登場
突然、聞こえてきた声に視線を向けると、そこにはこの学園で知らないものは居ないだろう、双子がニコニコと立っていた。
「あんた達、誰?」
「僕達は、」
「上ノ山流星」
「上ノ山諒星」
「「生徒会会計の双子だよ!」」
そう名乗った双子は、生徒会役員で、二人で会計をしている。
他所の学校なら、二人も要らないかもしれないけど、この学園は特殊で予算が半端ない。
行事も充実していて、申し分ないのに、良家の子息達は湯水のように予算を使おうとする。
行事や部活など、豪華でなければいけないけれど、限り在る予算をうまく回すためには、相当な苦労が強いられる。一人では、絶対に賄いきれないだろう。
よって、双子は適任なんだ。
「・・・俺は星野雪。で?俺に何か用?」
「うわさの転入生を見に来たんだよ」
「「ね〜!!」」
「うわさ通りの、モサモサヘアーにビン底メガネ!!」
「うんうん!」
「一目見たらすぐ分かるって言ってたけど」
「ホントにすぐに分かっちゃったよ」
「「ね〜!」」
楽しそうに盛り上がっている二人を、呆気にとられて見ていると、
「もう、十分見ただろ?もう帰れよ。」
雪くんが、不機嫌そうな顔で二人を冷たくあしらっていた。
「つめたいなぁ」
「つめたいよね?」
双子は、お互いに向き合いながら頷き合っている。
まるで、鏡を見ているようだ。
「優希、ごめんな?こんなの無視して、早く食べよ?」
雪くんは、僕に食べるよう、促してくる。
「う、うん」
そう言ってもらえるのは嬉しいけれど、やっぱり食べにくいよぉ・・・。
「あぁ、そういうことか。」
「そういうことだね。」
「「僕達、お邪魔だったみたいだね。」」
そう、双子が言うと、雪くんは真っ赤になった顔を誤魔化すように、ご飯を口へと掻き込んでいった。
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