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浅生(ノンちゃん)視点2
ノンちゃんSIDE



「はいはいっ!さっさと目を覚ますっ!!」


 パンパンと手を叩きながら大声でそう言うと、5人とも呻きながらではあるもののゆっくりと立ち上がった。


「うぅ、痛い・・・。」


「わわっ!まだ目が回ってるよ。」


「おでこが腫れてる・・・。」


「冷え〇タ欲しいよぉ。」


「うぅ、石頭・・・。」


 それぞれ頭を抱えてはいるものの、それを無視して本題に入った。


「よし。皆目が覚めたみたいだね。実は皆に集まって貰ったのには訳があるんだ。」


「「「「「・・・訳?」」」」」


「緊急事態が起こった。」


 僕が、真面目な顔でそう言うと、


「き、緊急事態ってっ!?」


「それって立花会長の事なんじゃっ!!」


「ま、まさか、隊長、立花会長と付き合うのっ!?」


「えぇっ!?そんなぁっ!」


「うぇぇぇんっ!僕達の隊長がっ!!」


 一斉に皆が騒ぎ出した。しかも泣き出す奴まで出てくる始末だ。


 煩い・・・。


 コメカミをピクピクさせながら、暫く黙っていると、憶測だけで騒いでみたものの、結局僕の話を最後まで聞かないと話が見えない事に気が付いたみたいで僕に続きを促してきた。


「副隊長。緊急事態ってなんですか?」


 やっと落ち着いたか・・・。幹部5人の様子に小さくため息を付くと口を開いた。


「ユキちゃんが親衛隊長を止めさせられた。」


「「「「「えぇっ!?」」」」」


「そんな・・・。」


「隊長・・・。」


 皆あまりの事に言葉も出ない様子だ。


「・・・紫藤に直接言われたらしいんだ。アンタ達も知ってるでしょ?ユキちゃんの噂の事。それのせいで踊らされた紫藤が<君みたいな子に親衛隊長なんてして貰いたくないな。>って言ったんだってさ。」


「そんなっ!隊長が制裁なんてする訳ないじゃないですかっ!!」


 僕の話を聞いて憤る皆に笑みを浮かべて続けた。


「そうだよ。ユキちゃんが制裁なんてするはずが無い。」


「だったらっ!!」


「・・・副隊長。このまま黙って引き下がるおつもりですか?」


 一気に厳しくなった幹部5人の表情に僕はさらりと応えた。


「フフフッ、まさか。」


「っ!!副隊長っ!!」


「リベンジしに行く。その為にも僕が紫藤の親衛隊長にならないといけなくなった。そっちの方が紫藤に接触しやすくなるし、色々都合がいいんだ。・・・そういう訳だからさ、僕が隊長になる事、承認してくれるよね?」


「もちろんですっ!!」


「応援していますっ!!副隊長っ!じゃないや浅生隊長っ!!」


「僕達にできる事なら何でも言ってくださいっ!!」


「川原隊長のためだもんっ!!何でもやりますっ!!」


「僕達は、副会長より川原隊長の味方ですっ!!」


 皆の心強い言葉に、


「ありがとうっ!!」

 
 気が付けば満面の笑顔で笑っていた。


「うわぁっ、浅生隊長可愛いっ!!/////」


「うんうんっ!いつもそうしていればいいのに。」


「・・・ホントだ。顔が恐くない。」


「いつもは般若みたいなのに。」


「化け物並みに恐いのに・・・。」


 ぼそぼそと聞こえてくる言葉に再びコメカミがピクピク動いてきた。


「・・・アンタ達、もう一度頭突きお見舞いしてやろうか?」


「「「「「ぎゃぁぁぁぁっ!!」」」」」


 逃げ惑う幹部5人を一人ずつ捕まえながら、思わず笑った。


 大丈夫だよ、ユキちゃん・・・。


 皆ユキちゃんを信じてる。


 早く誤解が解けるよう頑張るからさ。


 だから、絶対に幸せになって・・・。





 僕に捕まえられて泣き叫んでいる幹部の口を押さえながら、


「立花の事も心配要らないよ。アイツはユキちゃんの味方だ。」


 それだけ言うと笑顔で頭突きをお見舞いしてやった。




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あきゅろす。
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