星野視点 2
雪 SIDE
「こう、しゃ?これが?どう見てもお城だろ?」
おれが、呆然とそう呟くと、
「ふふっそう思うよね?けど残念ながら、このお城が君の新しい学校だ。」
目を細めて、笑っている紫藤・・・
まただ・・・なんなんだ?この違和感は・・・?
「学校・・・。王様とか居そう・・・。あ、理事長が王様か?」
驚きすぎて、変なことを言ってしまった・・・。
「ふふっ君って面白いね?」
あぁ、わかった・・・
違和感の正体・・・。
「なるほど、そうか、目が笑ってないんだ・・・」
「・・・え?」
「だって、アンタ昔はそんな笑い方じゃなかっただろ?」
「・・・僕のこと、知っているの?」
そう言われてやっと自分の失態に気づいた。
「しまったーーーー。」
そう言って、頭を抱え込むことでさえ墓穴を掘っていることに気づいていなかった。
「あったこと、あるんだね?」
疑問系だけど、断定したような響きがあった。
「なんの、ことですか・・・?」
「・・・ふ〜ん。惚けるつもり?」
「・・・・・」
「ま、いいや。ところで君、名前は?」
「・・・星野、雪・・・です・・・。」
「・・・ユキ?」
「はい。あ、こっちですよね!?早く行かなくちゃ!!理事長を待たせるわけには行きませんよね!?」
墓穴を掘りまくってパニックを起こしていた俺は、逃げていく俺の後姿を呆然と見ている視線に気づかなかった・・・。
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