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心の代償




「優希?どうしたの?大丈夫だから。ね?」


「うぅぅ・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」


 雪くんが、優しければ優しいほど、涙が溢れてくる。


「優希。何があったんだ?何でそんなに謝るんだ?」






「フンッ、知れた事を・・・。こやつが謝る理由など、1つしかないではないか。」





 ・・・・・え?


 雪くんの言葉に答えるように、突然、第三者の声が響いた。


「・・・日向・・・先輩・・・。」


 驚いたのか、雪くんが僕の肩から手を離し、ゆっくりと立ち上がる気配がした。


「フンッ、今更泣いて許しを請(こ)おうなどと、笑止千万!」


「日向先輩?・・・何言って・・・。」


「紫藤よ。聞いたであろう。やはり、首謀者はこやつだったのだ。」


 ・・・し、どう・・・?


 あの方の名前に引かれ、顔を覆っていた手を震えながら外し、顔を上げた。


 見間違えるはずなど無い・・・。


 眉間にシワを寄せ、不快そうに顔を逸らしているのはまさしく・・・・。


 あぁ・・・どうして・・・。


 ガタガタと震えが止まらない。


 歯の根が合わず、歯がガチガチと音を立てた。




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