幸せは自分で掴むもの 5 竜一SIDE 「王道っていうのはね、顔、頭、性格すべてが良くっておまけに強い!族の総長もしてるんだ!しかも、理事長の甥っ子!!」 なんだそりゃ・・・。 明らかに無理だろ。 そんな完璧なやつなんているのか?てか、理事長の甥っ子ってなんだ!!生まれ変わるしかねぇ! あぁ、そうか。 こいつバカだったな。マジに考えたらエライ目にあう。相手がバカということをふまえて返事をしないと。 とりあえず、理事長の事は触れないでおこう。でないと、笑っちまう。 てか、まじで気づいてないのか?お前んちの伯父さん、漁師じゃねぇか!!去年の夏休みに一緒に深夜から起きて漁に連れて行ってもらっただろ!?テンション高くて、船に乗っている間中、朝になるまでひとり爆笑してたよな!?いったい何が面白かったんだ? 「それで、顔と頭は何とかなると思うんだ。性格はちょっと演じなきゃだめだけど・・・理事長は、まあ、置いとくとして、問題は総長なんだよね。」 あ、やっぱ、理事長は置いとくんだ? 気づいてたのか?えらいえらい。 けど、なんで・・・ なんでなんだ?なんで、あの事には触れない? 「顔と頭はたしかに、大目に見てやれは、見れないこともないかもしれない範囲かもしれないが・・・」 言葉を濁していってみれば 「なんでだろう?ちょっと傷つくよ。竜ちゃん・・・」 隣でいじけていた。 知るか、と無視しながら ところで、と続ける。 「なんで・・・」 「なんで?」 「だから、なんで・・・ 何で体型の事は触れていないんだ?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |