幸せは自分で掴むもの 4 竜ちゃんの登場で一気に形勢逆転した。 上から見下(くだ)す様な雰囲気で、器用に片方の口角を上げながらおにーさんたちを睨みつけている竜ちゃん。その圧倒的な威圧感におにーさん達は動くことすら出来ない。 竜ちゃんていったい何者・・・? その人を見下(くだ)したドSムード駄々漏れの横顔はまるで・・・ 「・・・女王様?」 言った瞬間、竜ちゃんに頭を叩かれた。 一瞬緩んだ威圧感に一人のおにーさんが我に返って 「て、てめぇ。俺を誰だと思ってるんだ!最強の黒薔薇を知らねぇのか!?」 「黒薔薇は知っているが、お前は知らねぇ。」 ハッと鼻で笑いながら、再びおにーさんを睨んでいる竜ちゃん。 なに?黒薔薇って・・・。黒バラ・・・?バラ肉・・・。黒豚・・・。はぁ・・・。お腹すいた・・・。 「・・・竜ちゃん、黒豚の話はもういいから、早く帰ろうよう。・・・僕お腹すいたぁ。」 口を尖らせ、竜ちゃんの服のすそを掴んで揺すりながら、早く帰ろ?と甘えてみた。 「誰が黒豚だ!てめぇふざけやがって・・・耳かっぽじって良く聞け!黒薔薇とは、この辺りでNO.1を誇るチーム黒薔薇のことだ!」 ピクッ おにーさんは怒って怒鳴っていたけど、僕はそんなことより、チームって言葉に反応した。 「総長・・・。」 ボソッと呟いた僕の声は、おにーさんに届いていたようで、 「っ!?どういう事情か良く知らねぇけど、確かに、今は総長は不在だ!けど、俺達には、四天王が居る!!四天王が居る限り、最強の名は誰にも渡さねぇ!!!」 勝手に勘違いして、熱く語るおにーさんに、僕は目を輝かせて、竜ちゃんは青ざめていった。 「・・・おい、もう余計なこと言うんじゃねぇ。」 「いや、言わせてもらう!総長が居ないことで、NO.1から引き摺り下ろそうとしてくるチームがあるけど、俺達は絶対に負けねぇ!!」 悦に入って、興奮状態のおにーさんは竜ちゃんでも止められない。 「じゃあ総長が居ればいいんだ。」 「そ、そんな簡単に総長になれるヤツなんて見つかるわけねぇだろ!?」 「大丈夫!」 にっこり笑いながら 「ここにいる!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |