[通常モード] [URL送信]

幸せは自分で掴むもの
4





竜ちゃんの登場で一気に形勢逆転した。

 
 上から見下(くだ)す様な雰囲気で、器用に片方の口角を上げながらおにーさんたちを睨みつけている竜ちゃん。その圧倒的な威圧感におにーさん達は動くことすら出来ない。




 竜ちゃんていったい何者・・・?




 その人を見下(くだ)したドSムード駄々漏れの横顔はまるで・・・




「・・・女王様?」




 言った瞬間、竜ちゃんに頭を叩かれた。


 一瞬緩んだ威圧感に一人のおにーさんが我に返って


「て、てめぇ。俺を誰だと思ってるんだ!最強の黒薔薇を知らねぇのか!?」



「黒薔薇は知っているが、お前は知らねぇ。」



 ハッと鼻で笑いながら、再びおにーさんを睨んでいる竜ちゃん。


 なに?黒薔薇って・・・。黒バラ・・・?バラ肉・・・。黒豚・・・。はぁ・・・。お腹すいた・・・。


「・・・竜ちゃん、黒豚の話はもういいから、早く帰ろうよう。・・・僕お腹すいたぁ。」


 口を尖らせ、竜ちゃんの服のすそを掴んで揺すりながら、早く帰ろ?と甘えてみた。


「誰が黒豚だ!てめぇふざけやがって・・・耳かっぽじって良く聞け!黒薔薇とは、この辺りでNO.1を誇るチーム黒薔薇のことだ!」




 ピクッ




 おにーさんは怒って怒鳴っていたけど、僕はそんなことより、チームって言葉に反応した。




「総長・・・。」




 ボソッと呟いた僕の声は、おにーさんに届いていたようで、


「っ!?どういう事情か良く知らねぇけど、確かに、今は総長は不在だ!けど、俺達には、四天王が居る!!四天王が居る限り、最強の名は誰にも渡さねぇ!!!」


 勝手に勘違いして、熱く語るおにーさんに、僕は目を輝かせて、竜ちゃんは青ざめていった。


「・・・おい、もう余計なこと言うんじゃねぇ。」


「いや、言わせてもらう!総長が居ないことで、NO.1から引き摺り下ろそうとしてくるチームがあるけど、俺達は絶対に負けねぇ!!」


 悦に入って、興奮状態のおにーさんは竜ちゃんでも止められない。





「じゃあ総長が居ればいいんだ。」




「そ、そんな簡単に総長になれるヤツなんて見つかるわけねぇだろ!?」




「大丈夫!」




 にっこり笑いながら




「ここにいる!」






[*前へ][次へ#]

4/37ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!